【黒子のバスケ】てんさい

27話 ページ30

｢赤司ー！｣




｢小太郎か｣




女子の決勝を二階席から見ていたときだった




別の場所で見ていたはずの先輩方に声をかけられる




｢どう？ルナの試合｣




虹村さんの繋がりでルナとも会ったことがあるらしい部の先輩




｢順調だよ。めずらしく初めから飛ばしているね｣




｢めずらしい？普段はどんなプレイなんだよ、お前の幼馴染｣




スタメンの中で唯一ルナと直接的な関わりのない千尋が知らないのも無理はない




彼女は女子バスケで、僕達は男子バスケ部員
であるからね




｢普通だよ。本当に普通のプレイだ。ただ、彼女のゲームメイクには決まった型が無い。｣



ただ、それだけだ




だからこそあいつは試合をよく見る




気になった司令塔がいればその人の得意なゲームメイクを研究し、自分の試合に組みいれるために。




｢何十、何百通りの策の中から対戦相手にあったものを予め選び抜き、時と場合によっては試合中でさえ、作戦を変える｣




そのため、あいつのチームメイトは本当に信用に値するものでなければならない。




｢ボードゲームとかよくやってるって聞いたわ。征ちゃんともやってたの？｣




｢そうだね。だいたい引き分けだよ。｣




将棋では負けたことは無いが、その他は引き分けに終わることが多い。




あいつに負けても何も思わないのはきっとお互いにゲームをしすぎたからだろう




｢恐ろしいくらい緻密に練られたルナの策は僕でも破るのは困難だ。｣




あいつに根付くのは常勝の理念。




負けるはずがない

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