不安と独占欲 ページ13
SHIRAHANサイド
S｢あずさは大丈夫なの？｣
あ｢んー？なにが？｣
S｢西浦くんに狙われてない？｣
あ｢あぁ、あの人気者くんかぁ｣
あずさによると、どいらかというとクラスカー
ストトップに立つような女の子にばっかりモテ
ているようで、真実に気づいている女の子は、
あまり近づかないようにしているみたい。
あ｢私から見ると彼、Aしか狙ってないよ。｣
S｢やっぱり。｣
あ｢でも昨日からA変なの｡ぼーっとしてるっ
ていうか、なんていうか…。とにかく変なの。｣
りょうちゃんの言っていたこととつじつまが合
う。昨日の朝から変だった、ということは水曜
日に何かあったんだろうなぁ…。
S｢水曜日、Aに何かあったりした？｣
あ｢うーん、確かだけど…放課後になってもA
が帰ろうとしてなかったんだよ。で、翔太くん
が待ってる正門に行こうとして教室出て昇降口
のところで西浦くんとすれ違ったわけよ。｣
S｢いつもりょうちゃんと帰ってるのにね…｣
あ｢うん。でも西浦くんは何も荷物持ってなかっ
たの。で、教室の方に戻っていったんだよね。｣
…やっぱり俺らのかんは当たってたのかも。まぁ
あずさが直接見たわけじゃないからなぁ…。
あ｢あとは西浦くんが圧倒的にAと居たがって
ることかな。それでクラスの女子から言われな
いといいんだけど…。怖いからさ。｣
S｢なるほど…｣
あ｢だから私は平気。Aがやばい。｣
あずさの表情からは焦りを感じられる。けど、
正直言ってしまえばあずさだって危険なのだ。
S｢でもあずさも気をつけないとダメだよ｣
あ｢なに､彼女が奪われないかって不安なの？笑｣
いつもなら、そんなわけないって照れ隠しでき
るけど、今は冗談でもそんなこと言えなかった｡
S｢…不安だよ。だってあずさ、可愛いから。｣
あ｢…っ…いつもはそんなこと言わないくせに…｣
S｢冷静で居られないくらい、あずさのことも心
配なんだよ。大切な彼女やけ、奪われたくない｣
あ｢…かっこよすぎて辛い。｣
いつものように帰っているこの道を邪魔された
くない。それだけ俺はあずさが好き。あずさは
どう思っているか分からないけど、ね。
S｢俺、あずさが好きなんよ。離したくない…｣
俺ってこんなに独占欲の塊だったけ？って思う
くらい、すんなり言葉が出てくる。
あ｢私も。大好きだよ。｣
あずさが俺の手をぎゅっと掴んだ。それに応え
るように、握られた手に力を込めた。
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作者名：まい | 作成日時：2020年10月14日 17時
