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俺が臆病なだけだった(煉獄side) ページ8

偶然見回り中に、Aの姿を見かけた。


身勝手だと思うが、しっかり謝って全て話そうと思って近づこうと歩いた。

『誰か...!』

彼女の声は確かにそう言っていた。
急いで彼女の元へ向かうと、見知らぬ男2人に無理やり手を引っ張られ、それに抵抗している彼女の姿があった。
俺の中にとてつもない怒りが巻き起こったのが分かった。
気づいたら彼女を掴む男の腕を掴んでいた

「その子は嫌がっているだろう!やめないか!」
「お前はこの女のなんなんだ!」

こういう時はきっと「俺の連れだ」とかそう言うべきなのだろう。
しかし俺と彼女の今の状況からしてそう言うと彼女を不快な思いにさせてしまうかもしれない。

「俺はただのこの子を好いている男だ」

ただの一方通行だって分かっている。
それでも俺は彼女が好きなんだ。

いくら彼女が俺から離れるようにしていても
俺のその気持ちは変わらなかった。

「離さないなら折る」

この言葉に彼女は怯えるだろうか
でも彼女を助けるために、俺の頭にはそれしか浮かばなかった。

男達はその言葉に怯え、逃げ出し、彼女は安心した表情を見せていた。


誤解を解けるなら今かもしれない。
そう思い
「すまなかった!」
そう言ったのだが、彼女はそのまま俺にお礼を言って、その場から走って立ち去ってしまった。
お礼は店で何かをご馳走すると言っていたが、俺はそんなことは求めていない

俺に背を向け走り去る彼女を俺は呆然と見つめるしかなかった。
走ればすぐに追いつくことは出来るだろうが、追いかけることが出来なかった。

やはりもうダメなのだろうか。
彼女とは結ばれない。

まあそうだろうな。生きている世界が違うんだ
俺はいつ死ぬか分からない。
それは彼女も同じだが、彼女は死と隣り合わせという訳では無い。

きっともっと近づいてしまったら
彼女にもっと心配かけてしまう。
下手すると危険に巻き込むかもしれない

もし俺と近づいて、彼女も「鬼殺隊に入りたい」なんて言い出してしまったら...?


結局は俺が臆病なだけなんだ
"彼女のため"というのは自分の言い訳に過ぎなかったのだ。

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃   
作品ジャンル:恋愛
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柑橘蛍(プロフ) - この煉獄さんもいい… (2021年2月23日 15時) (レス) id: e14d5de1d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Ka:ran | 作成日時:2020年12月16日 23時

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