君の気持ち(煉獄side) ページ18
戦いが終わると、彼女は俺をその場に座らせて、自らのハンカチと羽織を破き、俺の傷の手当を簡易的にしていた。
ずっと黙り込んでいて、その目からは涙が溢れていた
「...A」
『...ごめんなさい...』
「なぜ俺にここまでして手当をしてくれるんだ...?俺はAに酷いことを言ってしまっただろう。君を傷つけてしまった...」
『私はっ...私は煉獄さんが好きなんです。離れてくれって言われようがずっと好きでした。』
彼女は手を止めることなく、静かにそう言った。
『逃げてばかりでごめんなさい...本当は私だって煉獄さんから話を聞きたいんです。あの時になぜ離れてくれと仰ったのか...』
そう言う彼女の頭を反対の手で撫でた。
「俺は、君を傷つけたくなかった。俺といると君を危険に晒してしまうと思ったんだ。そして、心配ばかりかけてしまうとも。...しかし、結局は君の為だと思っていたこの理由は自分の言い訳に過ぎなかった。ほんとにすまなかった!不甲斐なし。
そして、本当に言いたかったことは
君のことが好きだ。俺が君のことを幸せにしたい。
ゆっくりでいいから君の返事を聞かせてくれないだろうか。」
そう告げると彼女は幸せそうな笑顔になった。
『私だって、さっき、煉獄さんが好きだと言ったでしょう...』
か細い声でそう言い、破れた羽織を傷口に巻き終えると、そのまま俺の肩に顔を埋めて泣いていた。
「よもや、ここでは危ない。君は恐らく道に迷ってここにいたのだろう?俺が君の家まで送ろう!」
そう言い、Aを横抱きに抱えると、Aは『ひゃっ』と可愛いらしい声を出して俺にしがみついた。
家に着く頃には涙は止まり、笑顔が戻っていた。
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柑橘蛍(プロフ) - この煉獄さんもいい… (2021年2月23日 15時) (レス) id: e14d5de1d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ka:ran | 作成日時:2020年12月16日 23時