初めて見た ページ17
その日は朝から店を出て、遠くまで買い出しに出かけていた。
道に迷ったりもしてしまい、買い出し先に着いたのはお昼すぎだった。
『まだこの時間なら夕方には戻れるはずよね。』
一応宿に泊まれるほどのお金があるかを確かめるが、そんなお金はなかった。
行きよりも早歩きで店へ急いだ。
『えっ、どうしよう、もうすぐ暗くなる...』
歩いていると、いつの間にか見た事のない道に来ていた。
辺りは田んぼや畑ばかりで、民家なども見当たらない
とりあえず民家を探すも見当たらず
とうとう太陽は沈みきってしまった。
「こんな時間にこんなところにいるなんてなぁ...不用心な娘がいるもんだ。喰われてぇと言わんばかりになぁ...」
後ろから聞こえた声に背筋が凍った。
最初は人かと思ったが、言っていることが人ではない。
『...お...に...?』
煉獄さんや蜜璃ちゃんから何度も鬼のことは聞いていたが
この目で見るのは初めてだった。
「歳も18といったところだろう。いい年頃の娘だ。ヒヒッ運がいいなぁ」
ーーー喰われる
鬼は一歩一歩と私に向かって足を進める
私も後ろに下がるも、鬼の歩幅には適わず鬼は私に向かって腕を振り上げていた
『ッッ...』
「炎の呼吸 壱の型 不知火!」
覚悟し目を瞑りかけた私の目の前に一瞬で炎のような人が立ち塞がった。
「怪我はないか!...A!?」
それは煉獄さんだった。
「待っていてくれ、出来れば目を瞑っていろ!」
目を瞑っていることは出来なかった。
目の前で繰り広げられる戦いが、
煉獄さんの繰り出す炎が眩しくて
「ッッ...A!!」
『ひぃっ...』
煉獄さんを避けた鬼が私の目の前に差し迫った
そしてそれから庇うようにすぐに煉獄さんが私の前に立ち塞がり、煉獄さんの血が滴り落ちた
『ッッ煉獄...さん』
「こんなのどうってことない。Aが無事ならそれでいい!」
そう言ってまた煉獄さんが何回か技を繰り出すと、鬼の頸は転げ落ちた。
「A、怪我はないか?」
『うん...煉獄さん...腕が...』
「ははっ!こんな傷すぐに止血できる!」
『だめっ...止血できても、菌が繁殖したら困るでしょう...少し座ってください』
そう言って、持ってきていたハンカチと、自らの羽織を破いて傷口に巻き付けた。
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柑橘蛍(プロフ) - この煉獄さんもいい… (2021年2月23日 15時) (レス) id: e14d5de1d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ka:ran | 作成日時:2020年12月16日 23時