鬼ごっこの末掴んだ幸せ【不死川実弥】 (ページ43)

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墓参りページ43

｢お墓参り行くぞォ｣
『はーい』

まずは仲間のお墓参り。
無惨戦で亡くなった柱のみんなだ。

『しのぶちゃん、カナエさんに会えたかな』
｢会えたんじゃねェの？｣
『蜜璃ちゃんと伊黒は空で幸せにしてるかな』
｢だといいなァ｣
『...またみんなと会いたいな』
｢俺達も25になったら会えるだろォ。｣

無惨戦...人の死のトラウマが心を埋め尽くす中でも泣く暇なく、そんなことを考える暇のない、酷く辛く厳しい戦いだった
蝶屋敷で泣き喚く私を3人が宥めてくれてたっけな

『みんな、私が25になったら...また会おうね...』

2人で手を合わせ、心の中でそう語りかけた

次はお互いの家族のお墓参り。

｢...ここだな...ここにみんな眠ってる｣

実弥は悲しそうに笑った。

『実弥の御家族の皆さん、初めまして、AAと申します...』
｢俺も、心から愛する人ができた。お互い残り少ない命だけど、絶対にこの人を、Aを幸せにする｣

最後に実弥は
｢生きて紹介したかったなァ...｣
と呟いた。

『...お母さん、お父さん、可愛い妹達、あと翔。仇の鬼は倒した。鬼がいなくなって...
それで大切な人が出来たよ、心から愛せるひとが出来たの。結婚して、不死川Aになったのよ。』
｢初めまして、不死川実弥と申します
ご挨拶無しに結婚してしまったこと、申し訳ございません。御家族様の分まで、この命終わるまで俺が大切に、愛し続けます。どうかご安心ください｣
『本当に、いい人だから安心してね。私は今、本当に幸せよ。』

お母さんの声が聞こえた気がした。
懐かしい声。
｢ずっと見ているよ｣
そう言われた気がした

『空に行ったらたくさん話をさせてね』

最後にそう言ってお墓参りを終えた。

｢御家族はどんな人達だったんだァ？｣
『んー、お母さんは穏やかで優しくて、あまり怒ることはなかった。お父さんは優しくも厳しくて...お父さんには家事の訓練とかでよく怒られてたかなぁ...』
｢会ってみたかったなァ｣
『私も会わせたかった。
妹は3人いて、3人とものんびりさんだったかな...よく、この姉妹4人は顔も性格もよく似てるって言われてた』
｢おォ、気になるなァ｣
『弟は1人。お墓参りで翔って呼んだでしょ、あれが弟。弟は兄妹みんなのことを嫌ってた
暴言ばっかよ、誰に似たの？ってみんな言ってた』

...殺気溢れた実弥にほんの少し似てたかも...なんて。