幽暗ノ華 弐 【伊東鴨太郎】

四十一 :夢主side: ページ1

連れてこられたのは廃れた工場



既に廃墟なのかかなり放置されている



歩いているといきなり後ろから蹴られ、顔から転ぶ。





痛い。 レディの顔になんて事を





そんな事お構い無しにたいしょー君は私の背中を踏みつける。





こいつ絶対モテないな。




た「やぁっと捕まえたぜ


今までお前ら真選組には世話になったんだぜ？」



『…そりゃどーも。』




攘夷浪士なんて、何十人粛正したか分からない。





ガンッ





キッと顔を上げると前にいた攘夷浪士に顎を思いっきり蹴りあげられた。





幸い舌は噛まずに済んだ。





た「叫び声ひとつ上げないとは…

あの時から強くなったなぁ？ バケモノ」





「バケモノ」





その言葉でまたゾワっとした感覚を覚える



その事に気づいたのか、たいしょー君は踏む力を強める





た「なぁバケモノ。

お前らがいるせいで俺達攘夷浪士は好き勝手出来ねぇんだ

真選組局長、近藤勲。 真選組副長、土方十四郎、一番隊隊長の沖田総悟


…そして参謀の伊東鴨太郎とお前。


お前ら全員邪魔なんだよな｣






その憎しみのこもった言い方に違和感を覚えた





『…鴨太郎さんに何か恨みでも？』




少し間を置いてたいしょー君は大きく笑った




た「覚えてないのか？ 俺は随分とお前と同じ様に奴を可愛がってやったのになぁ！？

お前の初めての友達じゃねぇのか？」





ドクンと大きく心臓が動いた

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