佰陸拾参頁─密カナ通信─ ページ30
鏡花が囚われた無人機に太宰が通信を入れるより前の頃。
彼の元には二つの通信が来ていた。
一つはポートマフィアの首領である森鴎外から。
もう一つは────
「太宰君、聞こえますか?坂口安吾です」
「やぁ、安吾。元気そうで何よりだよ」
「突然ですみませんが、Aさんの居場所をご存知ないですか?先程から連絡が取れないのです」
通信機から聞こえてきた声の主は異能特務課の坂口安吾。
彼の声は心做しか焦っているように感じられた。
「私も彼女が何処に行ったのかは知らないよ。まぁ、大体の予想はつくけれど」
「予想でいいので教えてください。早く向かわなければ彼女は」
「十中八九、異能を使って倒れるだろうね。運が良ければってとこだろうけど私には教えられない」
太宰の予想外の返事に安吾が目を丸くして驚くのが通信機を挟んでも伝わってくる。
そしてそれを裏付けるかのようにドンッと耳障りな音が太宰の耳に響いた。
「何故ですか!彼女の命がかかってるんですよ!?」
「だからだよ」
いつも落ち着いている安吾の珍しい声音に対し、太宰が発したその言葉は鋭かった。
そして何よりも濁りの無い真っ直ぐなものだった。
二人の間に沈黙が漂う中、太宰が口を開く。
「私は彼女から何も聞いていない。だから彼女のしようとしている事の邪魔は出来ない。それをする資格が私には無いし、なによりそういう約束を昔したからだ」
「ですが...」
「後始末のことなら大丈夫だと思うよ。特務課にも云っていないのなら、Aは一人で全て片付けようと手を回しているはずだから」
彼女に協力してくれる人は大勢居そうだし、と続けて小さく呟く。
それは僅かな憂いを帯びていた。
「太宰君の云いたいことは判りました。ですが此方では彼女の探索を続けさせていただきます。......では」
最後にまだ言葉が続きそうな間があったが通信はそのままプツンっと切れる。
一人取り残された彼は静かに手元に目を落とした。
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まんじゅうねこ(プロフ) - 煉華☆さん» ゲームでの名前は其の侭「まんじゅうねこ」です!ありがとうございます! (2018年11月2日 17時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - まんじゅうねこさん» 初めまして、こんにちは(*^^*) フレンドは大丈夫ですよ!「4555 8960 3456」←こちらでいけると思うので、ゲームでの名前を教えていただけると助かります。コメントありがとうございました! (2018年11月2日 17時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ(プロフ) - すいません、文マヨのフレンド申請を送っても良いでしょうか……。 (2018年11月2日 16時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ありがとうございます!風花楓音で申請しました! (2018年9月30日 10時) (レス) id: cdcff714b1 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - のんさん» こんにちは!大丈夫ですよ(*^^*) コメント欄にIDが書いてあるので、申請して貰えたら嬉しいです。 (2018年9月24日 14時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/renka_kazetani
作成日時:2018年7月14日 17時