【文豪ストレイドッグス】元.ポートマフィアの指導者 part 7

佰伍拾頁─モウ一人ノ立案 4─ ページ15

場面は一転。

明るい空間から暗い空間へ。


其処は白鯨の内部であることには変わらないが、先程の場所が表だとするならば此方は裏だった。

ボンネットの中を覗いているように感じるのは隠す気の無い管のせいだろうか。

足場は建物の工事によく使われているような金属の網。

こちらにより多くの情報を伝えるためか、映像はゆっくりと一周した。

流石に此処からではどう進めば彼の部屋へと辿り着けるのか分かりづらいが、一緒に白鯨内の地図を見たフルールには造作もないことだろう。

そんな私の思いに応えるように、パソコンに映る映像が右を向き前へと進み始めた。

元がぬいぐるみということでその足の速さは遅いと思う者が多いかもしれないが、実際のところは成人男性が走っているのとそこまで変わりはない。

その気になればチーターと並走することだって夢じゃない。




『この道(ルート)...それなら』




手元にある地図の複製(コピー)と映像を交互に見て照らし合わせる。

画面から得られる小さな情報を拾っていくと、徐々にフルールが向かおうとしている場所が導き出された。

私はそれに満足し、眼鏡をかけ直す。




『......ん？』




気分転換の珈琲を一口飲んでいると、ふと映像に違和感を感じた。


その原因は直ぐに判明する。

カメラの持ち主が減速し、映像の更新が緩やかになっていたのだ。

私は不思議に思い、眉をひそめて其れを見つめる。

すると映像は左斜め下へと動き、向かい合っている二人の人物を映した。


少し離れているのでその姿ははっきりとは見えない。

第一印象は白と黒だった。

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