こども。 ページ14
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「 っぐ、おかあしゃん … 」
「 え なに この子 」
俺の目の前には、小さな男の子。
え?え? 迷子なの? お母さんもろくに言えないくらい泣きべそかいてる。
…… 俺、こういうの慣れないからなあ
そんな時、後ろから声がした。
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「 あーーー!! 北斗また小さい子怖らがらせたなあああ! 」
いや。ちげえよちび。
ああ、失敬。 幼馴染。
「 誰がちびだわ 」
「 いやちびやん 」
「 178cmの大男に言われたくない 」
「 いやいや、俺は脚が長いだけだから 」
「 なんや!!私が脚短いとでも言うんか!!! 」
いやそれは被害妄想。
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俺らの
ごめんね、こんないい歳したおじさんおばさんが言い合いしてて。うん、ごめんね。
「 …… どうしたの、僕? 」
「 っあのね、お母さん、っ、…… いなくなっちゃって、 」
Aが男の子の身長に合わせて話し掛けると、ぽろぽろと涙を零しながら話をする。
ああ、泣かないの。なんて頭を撫でる彼女は、なんだか母親っぽかった。
…… なんだ、この父親感。
やめてくれ、こんなやつと。
心臓が持たない。
…… いや、そう考えてしまう。
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「 よーーしわかった!! 今からお兄ちゃんとお姉ちゃんが一緒に僕のお母さんを探してあげよう! 」
「 え 俺も?? 」
「 当たり前やん 」
…… その男の子はにこにこと笑みを浮かべていた。
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