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「 ほくと、 … ー? 」
北斗の部屋のドアをノックし、ゆっくりと開ける。
部屋に入ると、ふわっと北斗の匂いがした。
私の、大好きな匂い。
「 …… 寝てん、の? 」
ベッドで小さくくるまって寝ている北斗。
布団が小さく上下に動いているため、眠っているのだろう。
「 寝てんのなら、いいや 」
早く帰った方がいい。
折角来てやったのにな!!!なんて心で叫んでみる。
…… まあ、仕方がないけど。
「 、A 」
くい、っと服の袖を掴まれる。
北斗の方に視線を戻すと、少し潤んだ瞳が此方を見ていた。
「 …… だいすき 」
はああああああう!!!!!
破壊力やばいよ北斗!!!!なに!!!え!!!!
熱出たら北斗そんな甘くなるの?!え!!
「 っ〜 …… !!! 」
私は必死に悶え、声を出すのを我慢していた。
心臓に悪い、松村北斗。
「 ん、 … Aは、すき、? 俺の事 」
「 う、ん、 」
しどろもどろになりながらも返答すると、北斗は嬉しそうに笑った。
「 よかった、… A、ありがとう 」
そんな素直になる?普通。
いつもの馬鹿はいずこって感じ。
「 … 早く元気になって馬鹿って言ってよ。ばかほくと 」
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「 おいばか 」
「 なっっ!!! ばかじゃないわ 松村 !!! 」
「 …… まあ、一昨日はありがと 」
そして北斗はまた、元気になって帰ってきた。
「 どういたしまし、げほっ、 てだな !!! ( げほっ ) 」
「 おいおい 今度はお前かよ 」
私に風邪を移して。
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