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「本当に来たんですね」
自動販売機の彼らに小銭を貸した翌日、今日は駅前の本屋にでも寄って朝読書用の新しい本でも買おうと思っていた。
図書室にある好きなジャンルの本も大方読んでしまったし、久しぶりに行ける本屋に胸を躍らせていたのだ。
だから昇降口で靴を取りだした時、クラスの男子が不良がAさんを呼んでると教えてきた瞬間に私の本屋へ行く時間は狂ってしまった。
「だって来るって言ったでしょ！」
「そうそう、はい二十円！」
多分学さんという人だろう。握られた拳からパラッと落ちてきた十円玉二つ。
律儀だなたかが二十円になんて思ってしまったが、声に出したらきっとこの二人は怒るだろう。
スクールバッグから小銭入れを取り出して二十円を入れる。
どれだけ強く握っていたんだろうか。摘んだ瞬間に伝わってきた生暖かさとざらざらした十円の感触。学さんという人のお金や貸し借りに対する純粋な気持ちが分かったように感じてしまう。
「ありがとうございます。じゃあ私はこれで。」
「あ！ちょっと待って！」
これで私とは別世界の不良とも関わりが無くなるんだろうと歩みだした三歩目。
距離的には大きすぎる声で止められてしまった。
振り向くのすら面倒臭い。また小銭でも貸してくれとでも言うんだろうか。
「本屋ってどこにある？忠太にたのまれちゃさ」
「本屋ですか、本屋は駅前のとショッピングモールのがありますけど。距離的には駅前のが近いですよ。」
「おお、ありがと！そっち行くわ！」
よかった。私が行きたい本屋は真反対のショッピングモールの方だ。ここで駅前よりも本の種類が多いんですよなんて言ってしまっていたらどうなったことやら。
非日常はもう終わりの方がいい。
早くいつも通りの日常が戻った方がいい。
大好きな本を、唯一非日常が許される物を手に入れる為、止められた足が動き出した。
扉が付けられていない開放的な入口と入った瞬間目に入る児童文学書。
もうすぐハロウィンだからかカボチャのお化けの本やあの有名な魔法使いの小説が並んでいる。
小さい頃夢中になって読んだ魔法使いの長編小説は、私に非日常を初めて味あわせてくれた。今でもあの感覚は忘れたくない。
思い出に浸りながら足を進める。
フロアで一番広範囲に並ぶ日本文学は私に一体どれだけの非日常を味あわせてくれるんだろうか。
気になった題名を手に取り最初のページを読んだ。
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ち の ち ゃ ん 。(プロフ) - うわあああん可愛い😭😭もどかしい感じがたまらなくいいです😭💗ありがとうございます🙇🏻♀️🙇🏻♀️💗 (11月26日 22時) (
レス) @page21 id: a284f3be6e (このIDを非表示/違反報告)
藤の花(プロフ) - ち の ち ゃ ん 。さん» ご感想ありがとうございます。御子柴君、私も大好きな方なので少しずつお話を書いていこうと思ってます！ (11月19日 13時) (レス) id: 38d8ba4bed (このIDを非表示/違反報告)
ち の ち ゃ ん 。(プロフ) - めっっっっっっちゃ好き😭言葉選びが繊細で素敵😭💗 見ててすごくしあわせな気持ちになれる😢 よければ御子柴君とのお話もっと見たいです😭💗 (11月18日 17時) (レス) @page14 id: a284f3be6e (このIDを非表示/違反報告)
藤の花(プロフ) - yit高梨アヤメ@うちの子マジ可愛いさん» ご報告ありがとうございます😭直しました (8月29日 18時) (レス) id: 38d8ba4bed (このIDを非表示/違反報告)
yit高梨アヤメ@うちの子マジ可愛い(プロフ) - 失礼します、オリ.フラ立っちゃってますよ〜💦 (8月29日 18時) (レス) id: 945705f77e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤の花 | 作成日時：2023年8月29日 16時
