世界を統べる者たちよ【神樹を守る子ら】【リレー小説】 (ページ9)

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使い魔が一人ページ9

この前の大掃除ですっかり綺麗になった別館。しかし、何故か壊れた人形が一体、置いてあった。

「うわぁ……この前作って貰ったばかりなのに……」

これはまた鐘華に叱られそうだ。にしても、これは誰がやったのか。恐らくは機能を修復できていない人形辺りだろう。

「……帰りますか」

本館に帰ったら使い魔たちに招集をかけて、これをやった人を聞いてみよう。そんな思いで、空間魔法を使い、本館の広間まで飛んできた。
それから、使い魔五人全員にテレパシーで集まるように言う。一番早く来たのは、当然のことではあるがウェンディだった。その後はシロノとクロト、リリス、ナツキの順番で来た。皆、五分もかかっていない所を見るに、やっぱり人外なんだな。

「えーと、別館に壊れた人形が置いてあったの。しかも、最近鐘華に作って貰った奴。こんな事にした人に心当たりはある？」

こんな事を問うと、真っ先にシロノが手を挙げた。

「シロは知らない！」

知らないなら手を挙げるな、と言いたくなるけれども、しょうが無い。これがシロノだ。
次に、リリスが控え目に手を挙げた。

「心当たりと言うか、なんだけれどもね。最近この屋敷にクリーチャーの来る頻度が高いので、恐らくクリーチャーの仕業だと思うわ」

成程、クリーチャーか。まあこの前の掃除でも屋敷にクリーチャーが来たし、その時はリリスが撃退したが、人形一体が犠牲になったという報告も挙がっている。この事実から、恐らくクリーチャーの仕業だろう、と結論付けた。

「情報をありがとう。では、通常任務に戻ってちょうだい」

それを言うと、皆はすぐに広間から去って行った。

「私はクリーチャー対策でもしましょうか」

私もそんな事を呟きながら、玄関へ向かった。