僕が数を愛する訳。【神様の依頼箱】 (ページ7)

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ついさっきの事を思い出していると、外で大きな音がした。

「…………………！まさか……」

「漸兄ちゃん！妖だよ、きっと！……影ではないと思うけど……」

ぜんさんが反応をする。しかし、少し冷静さをかけていた。

………………のだが、いとちゃんの影ではないという言葉につれて、冷静さを取り戻した様だ。

「お前も来るか？見た感じ、戦いには慣れてるっぽいしな」

僕の方を見てぜんさんが言う。
慥かに、その時の僕の服装には刀傷やら銃弾が抜けた後など荒れていた。
しかし僕自身は生きている。………………だから慣れてるってわかったのか。

僕は、貧民街で拾った銃を持ち、言った。

「…………………行く。あと僕はお前って名前じゃない。率、円周率」

「わかった。…………怪我すんじゃねぇぞ！行くぞ、伊都、率！」

「わかってるよ！」「勿論！」

そう言い、三人で音がした方に向かった。

敵はとても弱かった。

僕が人格を覆す必要もないほど、弱かった。

「…………………率っ！危ねえ！」

でも僕は不注意すぎて、死ぬ寸前にいたろうとしていた。

目の前には、敵がいた。

その時だった。

あの時と同じ数の羅列______円周率が出て来て、敵を一気に切り裂いたのは。

この時。僕は人ならざる者_____神妖だと自覚した。同時に理解した。

僕と言う存在は、
僕が忌み嫌う幕府に必要な力を持った者だって、気付いちゃったんだ。

「……………ハハッ、笑えない。少し留守にするよ、ご飯ありがとう」

呆然としている二人に言った。

そのあと、僕は海に向かった。