キンスマ~小中学校編~ ページ19
施設で暮らすようになって3年目の春、いよいよ小学校入学を迎える。
地域と施設の関わりが深い土地柄もあり、入学にも抵抗なく、友だちもすぐできて、毎日楽しく通っていた。
もともと好奇心旺盛で、いろいろなことに興味を持つ性格のため、勉強も進んで取り組み、常に上位をキープした優等生だった。
しかし、それも小学校卒業と共に終わりを告げる。一番の仲良しだった友人は中学受験や引っ越しのため、バラバラになってしまったのだ。
友人がいない不安を抱えながら迎えた中学入学。新入生代表の挨拶をした入学式からAの生活は一変する。
幼い頃から可愛らしい顔立ちをしていたAの存在は入学式で瞬く間に知れわたり、『あのかわいい新入生はどこだ!!』と同級生はもちろん、上級生からも追われるようになっていた。告白は日常茶飯事。しかし、A自身は恋愛に興味もなく、
あ「お気持ちは嬉しいんですが、ごめんなさい!!」
と断り歩いていた。
もともと繊細な性格だったため、人の思いを断ることに、罪悪感持つようになり、それはどんどん積み重なっていた。
そんなある日。
あ「あれ?筆箱がない…」
Aの持ち物がなくなるようになった。
犯人は同じクラスのA子。A子の親は地域でも有名な資産家で、A子自身、やりたい放題やってきた。そんなところに、自分より優秀でかわいいAの存在が現れて気にいらなかったんだろう。
いじめはエスカレートし、物がなくなる、壊されるだけだなく、水をかけられたり、階段から落とされたり…
周りはA子を恐れて何も言えず、A自身も自分がいじめられていることを学校や施設のみんなに言うことができなかった。
中学1年の夏休み直前、事件は起きる。
Aを階段から落とそうとしたA子が過って自分も落ちてしまう。それをAが突き落としたと言い出したのだ。
学校にはA子の親はもちろん、施設長も呼ばれることになった。
目の前には泣いているA子と怒っているA子の親。それを前にして、Aはうつ向いて黙っているだけだった。教師がいくら問いかけても反応しないA。
あ「何も言えませんでした。言ったところで、誰もあたしの言うことを信じてくれないから…何より、徳先生たちにあたしがいじめられてるって知られるのが怖くて。友だちもいないあたしには、もう徳先生たちしかいないから。知られたら嫌われると思ったんです…」
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作者名:千夜 | 作成日時:2014年9月16日 20時