検索窓
今日:2 hit、昨日:16 hit、合計:4,141 hit

307話 ページ7

そう伝えても何を思っているのか習うといって聞かない
まあ、護身術が使えるに超したことはない
教えておこう

「そうだ、腕を伸ばして。上手い……
足は伸ばしたまま蹴りあげて体をひねる」

いくつか基本的な技を教え何があっても身を守れるようにしておく
似合うな。かっこいい

「では、手合わせをしよう」

真田のその言葉に覚悟を決める
軽く手を抜いて、供与範囲の痛みで
そして教えた程度の技を出す
そうすれば真田は不快に思わない

「軽い!隙だらけだぞ。脇閉めろ、目を逸らすな
足が逃げている、怯むな」

心が育てばもっと強くなれる
亜久津レベルにはすぐになれそうだ
体技は文句なし
初めてにしてはよくやっている

「はぁっ、はあっ、」

息を切らし汗で服が濡れ
そんな必死な姿でこちらを見てる

「なぜ、そんなに強いのだ
指一本触れられなかった」

「当たり前だ。お前は初心者だ
俺は経験者、そう簡単に勝てるわけないだろ
テニスみたいなもんさ」

そう言っても悔しいのか何か言いたげだ
しーらない
勝てると思ってる方がアホだ
プロ対アマチュアだぞ
これでアマチュアに負けたらメンツが丸つぶれ

よっぽどここに来て焦っているらしい
この先何がどう起きるか分からないんだ
仕方が無い

「汗、拭いとけ
風邪ひくぞ」

そう声をかけタオルを投げる
顔にスクリーンヒットした音がしたのを確認し飯を温めておく

「何か出来ることはありますか」

日吉が帰ってきて背後から声をかけられる

「特にないが……
起きた人がいたら川のことを言ってやってくれ
あと、ご飯も準備してあることも
頼んだ」

いちいち、人に声をかけるのはめんどくさい
その仕事を日吉に任せるだなんていい性格をしている

「分かりました。何かあったら言ってください」

「ああ」

適当に返事をし火を眺めているとそばに大きな体が現れる
真田だ

「実は今日夢を見たんだ
とても恐ろしい、怖い夢だった」

同じように火を見つめ目を合わせることなく
独り言のようにつぶやく真田の話を聞く

「お前が死ぬんだ
何度俺が声をかけても叫んでもお前は俺の傍から離れる
その繰り返しだ

やっと終わったかと思えばお前は危険な目にずっとあってるんだ
俺は体が動かなくて何も出来ないまま苦しんでいるお前を見ている
見ていることしか出来ない

だから不安になったんだ
現実になるんじゃないかと、すまなかった」

「気にするな。どんな理由であれお前が俺の武術に興味を持ってくれたのは嬉しかった」

そう素直に伝えてみる

308話→←306話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 4.5/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
設定タグ:Ilikechoco. , U-17 , テニプリ不良
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:I like choco. | 作成日時:2021年8月25日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。