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愛してる「6」 ページ8

街で買い物を済ませ家路を歩く。



母との他愛もない会話は私の宝物だった。



家に近づいていく。



だんだん近づくにつれて聞こえてくるのは怒声と罵声。



「....お母さん.....。何か変だよ....」



チラリと母を見ると鋭い目付きで家の方を見ていた。



「ねぇA。今からお母さんはお客さんと大事なお話をしなくちゃいけないの。だからお家の裏口の方で待っててくれる?いいよって言うまで出てきちゃダメだからね?」



「分かった!お母さんと約束する!!」




真剣な母の瞳を、じっと見つめながらそう言った。



「うん。ほら、行きなさい!」



私が走っていったのを見送ると母は家の中に吸い込まれるように入っていった。



ーーーーーーーーーーーーーーー
母に待ってるように言われてから何十分も経った。



「ちょっとだけ見に行こうかな...」



母との約束を破り、家の中を覗く。



そこにあったのは。









血と紙切れ。



「お母さん...?お父さん?どこにいるの?」



母と父の姿が見当たらない。



私は血で濡れてしまっている紙切れを手に取った。



書かれていた内容は「両親は引き取らせて貰った。街に入ってすぐの二番路地で待っている」



ダッと駆け出した。



母と街へ行く時に通った道を駆ける。



「はぁ...はぁ」



幼い私はずっと前だけを見ていた。



両親を取り戻す事だけを見て走った。



ーーーーーーーーーーーーーー
二番路地に入る。



薄暗い路地は気持ち悪い。



そんな路地と全く正反対なシャボン玉がふわりと私の目の前を踊った。



ビクリと反応すると上の方から笑い声が聞こえてきた。



「あははっ!反応しすぎだねぇ....いやー。面白い!」



屋根の上にいる男はフードを被っていて顔は見えない。



「誰?みたいな顔してるねー。」



「別に...いいからお母さんとお父さんを返して」



フードを被った男を精一杯睨みつけて言う。



「いやー、怖い怖ーい。とりあえず君には来てもらわなくちゃだね。」



「は?なんでお前の所なんか....」



と言うと男はニタリという効果音がつきそうなほどに男の唇が弧を描いた。



「来てもらわなくちゃいけないよ。せっかくの実験体なんだから」



「いっ....ぁ。」



首元に何かが刺さる感覚がした。
その後すぐに身体の力が抜けていき私は膝から崩れ落ちた。



そしてプツリと私の意識は途切れてしまった。

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設定タグ:銀魂 , 神威 , シリアス恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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神威いのち - 面白いですね!最近シリアスにハマっていて、ちょうどこれひらいてみたけど、この小説、言葉に表せないくらい面白いです!更新頑張ってください!応援しています! (2018年1月3日 22時) (レス) id: 28f8b922b6 (このIDを非表示/違反報告)
哉惟(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2018年1月2日 12時) (レス) id: f8afee1e34 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍 ai | 作成日時:2018年1月1日 21時

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