文豪たちの反応調査記録 其の拾 【リクエスト停止中】

記憶操作の能力者である夢主が死ぬ直前に「せめて・・・私の分まで幸せになって」と云ってみた ページ1

勝手ながら異能力じゃない設定なので太宰さんにも記憶操作は効きます。


中島敦


「あれ・・・僕、なんで泣いて・・・」

貴方に関する記憶の全てが消えてしまった彼は意識を失って倒れていました。
次に目覚めた時は探偵者の医務室。
彼は違和感を感じ乍も「心配かけて済みませんでした」とみんなに笑いかけます。



太宰治


「嫌だっ、私はまだ君のことを━━」

其処で彼の記憶は途切れます。
そうして彼は忘れてしまったことすら知らずに、何故か誰も座ることはない自分の隣のデスクを見つめました。



江戸川乱歩


「どうせ僕は全部見抜くよ。だからお願い・・・消さないで」

自分の記憶があっては辛いだけだ、と貴方は判断しましたがそうではなかったんです。
後から知ったら、彼は貴方のことを忘れていた自分が許せなくなってしまいますから。



芥川龍之介


「時雨のいない世界でどうやって幸せになれと・・・っ、止めろ！！」

貴方の異能の発動条件は相手と目を合わせること。
貴方がしようとしていることに気づいた彼は慌てて目を閉じますが、貴方が接吻をすると目を見開きます。
「ごめんね・・・さよなら」と貴方は一筋の涙を溢しました。



中原中也


「そういや、何で俺に幹部補佐っていねぇんだっけ・・・」

ぽつり、と溢した言葉に彼の部下は顔を歪め、涙を隠します。
貴方がずっと彼の幸せを願っていることは誰もが知っていました。
だからこそ彼も、彼の部下も、誰も貴方の名前を呼びません。



フョードル・ドストエフスキー


「どうか記憶は消さないでください・・・僕からの最初で最後の命令です」

今まで一度も命令をしなかった彼。
しかし最期、悲しげに微笑んで、最初で最後の命令を下すんです。
そうすれば貴方が記憶を消さないと知って。



黒の時代 太宰治


「ずっと前から・・・こうなる気はしてた」

彼の異能でも無効化できない、と知った日から予測していたんです。
涙が浮かぶ瞳で見つめ合い、彼は「向こうで逢ったらまた一から口説き直すよ」と笑いました。



織田作之助


「お前を忘れたら幸せになんてなれない。忘れずに、必ず幸せになる」

少し苦笑してから目を閉じた貴方を抱き上げ、彼はゆっくりと立ち上がります。
海の見える処に、貴方のお墓を作るために。


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いきなり暗い感じですが始まりました「其の拾」！

更新をお休みする日があるかもしれませんが、今後ともよろしくお願いします！

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