【ONEPIECE】月が綺麗だと、そう言って2【トラファルガー・ロー】 (ページ39)

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38.村長の屋敷へページ39

－ローside－

村長「ようこそいらっしゃった。植物の研究をしてると伺っておるよ。私はこの島の村長じゃ。」

A「こんにちはー！」

屋敷で用件を言うとすんなりと通してもらえ拍子抜けしていると、
村長だという丸い狸のようなジィさんが俺たちを出迎えた。

ロー「流行病を治めたというドクターに会いてぇんだが。」

村長「はい、ドクターならもうすぐこちらに来ますよ。もうすぐお茶の時間なんじゃ。良かったら2人もどうかの？ドクターとの会話も弾むじゃろうて」

村長の誘いに、隣にいるAが「どうしますか？」というように見上げてきた。

ロー「(罠の可能性もあるが、ここで断るのも不自然か。)」

俺は肯定の意を込めて頷いた。

A「じゃあお言葉に甘えて！ありがとう、村長さん！」

「準備ができるまで少し待っていてくれ」と村長に言われ、俺達は屋敷のメイドの案内で客間に通された。

A「なんだか…余所者にすごい優しいですね。」

ロー「お前、出されたモン飲み食いするなよ？」

A「しませんよ…シャチじゃないんですから…！」

プリプリと怒るが、姿が少年のため態度や声とちぐはぐで違和感を感じる。
それ程までに変装のクオリティが高いということだろう。

ロー「とにかく、ドクターが現れたら警戒されない程度にワクチンについて聞くぞ。」

A「はい……皆、大丈夫でしょうか。」

Aが心配そうに壁掛けの時計をチラリと見る。

クルーの大半が倒れてからはや3時間程経過した。
昨日の夜原因のキノコを食べたなら消化時間を考えても10時間は経過しているだろう。
街で聞いた情報が確かなら、多く見積っても1日未満だ。

ロー「安心しろ。…言っただろ？アイツらは大抵の事じゃ死なねぇよ。」

A「…っはい！」

俺がぽすっと隣で俯く帽子に手を載せると、Aは気持ちを切り替えたのか背筋を伸ばして返事をした。

(コンコンコンッ

メイド「お客様、お茶会の準備が出来ました。」

ロー「あぁ、今行く。」

罠か偽善か。どちらにせよそこにしか道はない。

期限は刻一刻と迫ってきていた。