【ONEPIECE】月が綺麗だと、そう言って2【トラファルガー・ロー】 (ページ11)

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10.悪魔落とし① ページ11

－ローside－

ロー「ここがオルフェウン島か」

船を走らせて2日、Aを捕らえている領主の島、オルフェウン島に到着し、俺とペンギンは情報を集めるため中心街に向かっていた。

ペン「なんだか街の方賑やかですね」

ペンギンの言う通り、街は活気に溢れ人々が妙にいそいそと動いている。

ロー「店主、今日はなにかあるのか？」

俺が市場の店にいた男に聞くと男は「おうよ！」と大きく頷いた。

店主「何だい兄ちゃん！観光かい！そりゃいい時に来たね！」

ペン「いい時？どういうことだ？」

店主「これから数日2つもでかいイベントがあるのさ！1つはこれから広場でやるし見ていくといいよ！」

ペン「へえ、これからやるのか！ちなみにどんな催しなんだ？」

店主「悪魔落としさ！」

店主が言うには、この島は狼を神の遣いとして崇める信仰があり、中でも白い狼は最上なのだという。だが反対に黒い狼は悪魔の遣いとして恐れられているという。

店主「その悪魔の遣いに、去れ！と言いながら石を投げつけることでこの島の厄を取り払う半年に1度行われる祭りなのさ。まぁ今回はは領主様の都合で3ヶ月ほど遅れちまったけどな！」

ペン「狼なんて凶暴だろう？大丈夫なのか？」

店主「大丈夫さ、なんて言ったって領主様は神の遣いだからな！黒狼を制御できるんだ！」

取り敢えず広場に見に行ってみな！と背中を押され街の方へ歩きながらペンギンに問い掛けられる。

ペン「…どう思います？」

ロー「いくら制御出来るとしても狼は野生動物だ。…自分を傷つけられても暴走も何もしないとは考えにくいな。」

投げつけられる石の一つ一つが小さな物だとしても大勢の島民から投げられれば場合によっては傷も大きくなる。命の危険を感じても暴れない生き物などいるのだろうか。

ロー「とにかく広場に行くぞ。領主の島での立場も気になるしな。」

広場に着くと高さ2mほどの木の柵が広場の中心に大きく円を描いて連なっており、その周りには祭りと言うだけあって島民の大半が集まっているようだ。ざっと200はいるだろう。

周囲を観察していると広場の奥の方から、わっと歓声が上がった。

「領主様！」
「あなたのおかげで島は安泰だ！」
「りょうしゅさまー！！」

歓声を受けながら広場の奥にあるステージに、50過ぎくらいの小太りの男が登壇した。

ロー「あれがAの言ってた…この国の領主か。」

ペン「みたいですね…」