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ページ47

うん、そう。名付けるならこれは──


「“流水星(りゅうすいせい)”」


強く蹴った枝がみしりと軋む音。それに構わず突っ込んで、構えた刀を距離が詰まって行く女の子の頸目掛けて振り下ろした。




「──本当、愚かで可愛い子ね、貴方」




────瞬間、がくんと私の左手から力が抜けて、ずるりと柄から離れていった。


「…………は?」


キィン! 響いた音はなんとも軽い音。バランスを崩し、込めた力さえもほぼ失った刀は女の子のオレンジの糸で受け止められた。
だけでなく、左手から力が抜けたおかげでそのまま私の身体が左側に倒れこんでいく。けれど身体は地面に触れずに宙を浮き、ものすごい勢いで女の子が遠ざかって行った。

違う。これ、引っ張られてるんだ。女の子が遠ざかってるんじゃなくて、私が女の子から遠ざかってってる。後ろに、引っ張られて──


ドゴォ!


「がっ、はぁっ……!」


背中に強すぎる衝撃。肺から空気が溢れて、ぴき、と嫌な音がしたのは私の骨。重力に逆らわずにぐしゃりと地面に落ちた身体は痛みのせいで言うことを聞かない。それでも朦朧とした意識をなんとか手繰り寄せ、意識を失わない様にと必死になる。
待ってほしい。今なにが起こった? なに、なに? なんで左手の感覚が消えたの? なんで? なんで?
浮かぶ疑問に閉じかける視界。その中に、白い着物の裾が映り込んだ。


「教えてあげる。貴方みたいに自分の力を過信して突っ込んでくる子を、飛んで火に入る夏の虫っていうのよ? 可愛い可愛いお人形さん」


しゃがみ込んだ女の子がご丁寧に私の顔を両手で包んで上を向かせ、視線を絡ませたままそう嗤った。

第57話 家族事情→←*



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ユズヒ(プロフ) - nogiruka03161さん» コメントありがとうございます! 絶世の美少女とはなんと嬉しいお言葉。夢主が聞いたらドヤ顔で調子に乗りますね。その認識で大丈夫です!それ故に言葉遣いや所々の残念さが目立つというか際立つというか玉に瑕……みたいな感じです! (2019年10月7日 23時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
nogiruka03161(プロフ) - 前から思っていたのですが、夢主の美少女レベルはどれくらいなんでしょうか。主要人物は、禰豆子ちゃん、胡蝶姉妹、カナヲ、蜜璃ちゃん、鬼側なら堕姫と、美少女や美人が多いですよね。善逸の過去の発言や鬼に容姿で目をつけられるあたり絶世の美少女と認識してます。 (2019年10月7日 21時) (レス) id: 5ed8b171b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます!個人的に善逸との絡みは私も書くの好きなのでそう言って頂けるととても嬉しいです!鴉は焼き鳥になりました。 (2019年10月5日 19時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
夜美 - 巫女ちゃんと善逸の絡み好き。善逸と残ってあげるの今まで見たことないからおぉこれいいなって思った、デス。(ちょっと鴉風)あと善逸の優しさと巫女ちゃんの赤面好きそれをからかう鴉も (2019年10月5日 9時) (携帯から) (レス) id: 17b8cf45ac (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます!手紙だとあいつは大体おちょくってくる奴です。そうなんですよ!絶対可愛いなと私も書きながら思いまして!!絶対!!可愛い!!! (2019年9月22日 10時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年9月16日 16時

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