【鬼滅の刃】神様の巫女 伍

＊ ページ37

「そういえばどうしてあの時、あれが罠だって分かったのかしら」


ミシミシ、バキッ、ドドォン。


「ほらあの時よ。貴方達が山の入り口に来た時に、餌に触れようとした子達に触っちゃダメだって言ったでしょう？ あれはどうして？ あの糸、見えなかったはずなのに」


メキッ、バキィ。



「ねえ、何か答えてよ。応答がないのはなんだか寂しいわ」

「じゃあ答える暇を与えてもらっていいですかね！？」


ドン！ とまた私の隣に木が倒れてきた。
ひっえ怖すぎる！！ なん、なんだよこれはさあ！！ 遊びましょうとか言いながらなんかあれだ、小さい子が蟻に水かけてるあれと同じ感じがするぞ！ あ、でも鬼対人なんてわりかしそんなもんかな？ ふざけんな死んでくれ！！

さっきからずっとこんな感じだ。あの子が手から伸ばした糸が私の周りの木に結びついて、引っ張られる力に逆らえず幹をへし折って倒れてくる。怖い。避けたらまた別の木、その次もまた、って感じに立て続けに木が折れるのを頑張って避けている。せめてもの救いは糸が淡いオレンジ色をしてるからまだ見やすいってこと。
最悪だ。めちゃくちゃ怖い。こっちに伸びてくる糸も避けなきゃだし勘弁してほしい。怖い。とても怖い。ふざけんなめっちゃくちゃ怖ぇじゃねぇか！！ なんだこれ！？ 避けきれてる私すごくない！？ 誰か褒めてくれてもいいのよ！！


なんて思っていたら、左からこちらに倒れてくる木を視認。避けるのは不可。このタイミングじゃ多分間に合わない。
まだ抜いていない刀の柄に手をかけて、鞘を支える。


“全集中・銀(しろがね)の呼吸 伍ノ型 閃光扇”！！

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す