【鬼滅の刃】神様の巫女 伍

＊ ページ13

「ぅわあああっ！？」


ばっと手を離した炭治郎も驚いたらしい。だよね！！ 未だに花を散らす善逸は幸せそうな顔をしている。どうしようこいつ。本は借り物だから投げられないし、飛び蹴り……また怪我されたら困るよなぁ……。


「仲良くしよう炭治郎ぉ〜」

「善逸！ 頼むからくっついて来ないでくれ！」

「そんなこと言うなよたぁんじろぉ〜」


そんなことを考えていたら、今度は三人で円を描く様に追いかけっこが始まっていた。ばたばたと部屋の中を走り回ってるけど、あの、今は夜……ここは……人の家……。




「ぅあﾞあﾞあああああああﾞ！！」


しばらく続いた追いかけっこが中断したのは、鼻息荒い伊之助が勢いよく障子を両側に開いたからだった。しかもなぜか雄叫びをあげながら。なんだ一体。
と思えばいきなり炭治郎の背中に頭突きをかまし(絶対痛い)、炭治郎はよく分からない声をあげて畳に座り込んだ。


「な、なんだなんだ！？」

「っあﾞああああﾞあﾞあﾞあﾞあﾞ！！」

「えぇ……」


なんで叫んでんの。なんなの。怖……。
そんな中再開した追いかけっこは、伊之助に追いかけられる炭治郎、その伊之助を追いかける善逸の三人での再開だった。禰豆子ちゃんは一人ぽつんと輪を外れて箱の前に立っている。


「待て待て！ 止まってくれ伊之助ー！！」

「あﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞ！」

「炭治郎〜！」

「意味分からん。こっわ……」

「む」


どういうこっちゃと眉を寄せていたら声が聞こえて、見上げるとそこには禰豆子ちゃんが私の前に立って私を見下ろしていた。
灯りのせいで顔に影がかかって、なんか……美人度が増している。は？ 陰のある美少女か？ 最高かよ。


「禰豆子ちゃんおはよう。よく眠れた？」

「む〜！」

「そっかそっか、よかったねぇ」


は〜〜〜可愛いかよ〜〜〜？？？ 天使じゃ〜〜〜んなに〜〜〜？？？
座り込んで私の目線に合わせた禰豆子ちゃんが、なにやら私の頭をじぃっと見つめている。ん、なんだなんだ。


「どしたの禰豆子ちゃん。なんか気になる？」

「ん」

＊→←第49話 手の平返しが凄まじい

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