【鬼滅の刃】神様の巫女 弐

＊ ページ6

「お主、息吹を使うのは控えろよ」

「そんなほいほい使えるもんじゃないでしょうがなに言ってんのマジで」


髪は選抜試験と同じ髪型にして、簪を挿してさあいざ出発、って時に神様が私にそう言ってきた。


「あれな、今まで後遺症なかったじゃろ？ それ、この山が儂の神域だからでな」

「神域……え、パワースポットってこと？」

「なにそれ。ぱわー、すぽ？」

「いるだけで元気になったり力もらえたりする場所のこと」

「あ、そうそう。お主で言うぱわーすぽっと。それが、ここなの」


神様曰く、今まで怪我の後に後遺症だったりが無かったのはここがパワースポットだったから、だそうだ。しかも私が知ってる感じの、あの、雑誌に載ったりするタイプのお手軽お気軽みたいなじゃなくて割とガチの。神隠し起きるレベルのパワースポットだった。
いや多分私も神隠しされてる人間な気がしてならないけど。


「この山から離れるってことは、その恩恵に預かれんわけで」

「簡単に言うと？」

「これから息吹使った後は、怪我の後遺症が残る可能性が高いよ」

「ねえなんでそういう大事なこともっと早く言っとかないの？」


その腹にグーパンチしたけど見事に受け止められた。今くらいは受けてくれてもいいと思うんだけど。っていうか本当に初耳。
この山そんなすごいの？ あ、もしかして怪我の治りとかも実は早かったりしたの？ この山のおかげで？ …………あ、違う。怪我の治りは普通。そこまで都合よくできてないの。へぇ……。


「で、これ」

「なにこれ」


小さな巾着を渡され、素直に手を差し出す。
これまた白地に金の刺繍で“神”と書かれたそれは、なんかもう自己主張強すぎるとしか言いようがなかった。
少しだけ重量のあるそれには全く心当たりがない。


「お守り。儂の神気をこれでもかってくらいに込めておいた。儂の代わりと思って肌身離さず持っておれよ」

「捨てていい？」

「話聞いてた？」


嫌だそんなの持っておきたくない。……あ、そんななんでお面取ろうとするの分かったよ持つ持つ持ってく捨てないから！

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