【鬼滅の刃】神様の巫女 弐

＊ ページ49

閑話休題。
禰豆子ちゃんはそれにも関わらず狂暴化の兆しがない。この奇跡は今後の鍵になるんだそうだ。
ふわりと炭治郎の手を両手で掴み笑顔を浮かべる禰豆子ちゃん可愛い……。


「…………もう一つの願いは過酷なものになる。鬼舞辻の血が濃い鬼とは、即ち……鬼舞辻により近い強さを持つ鬼ということです。その様な鬼から血を採るのは容易ではありません。それでも、聞いてくださいますか？」


炭治郎が、自分の手を愛おしそうに握って目を瞑る禰豆子ちゃんを見る。


「……それ以外にも道が無ければ、俺はやります。珠世さんがたくさんの鬼の血を調べて、薬を作ってくれるなら。そうすれば禰豆子だけじゃなく、もっとたくさんの人が助かりますよね」


そう言って笑う炭治郎は本当に彼らしいと言うかなんと言うか。自然に私の顔も綻ぶもんだから、すごいなぁと思うわけで。
驚いた様子の珠世さんも穏やかに笑んで「そうね」と言ってくれた。それに顔を赤くした炭治郎に素早く寄って唸りながら睨む愈史郎君も彼らしいと思う！！ 珠世さん同担拒否ガチ勢かな！！


「あなたはどうですか？」


質問が私にも飛んできた。どうですか、って言われても……。


「もちろん手伝います。禰豆子ちゃんが元に戻る可能性があるなら喜んで」

「A……！」

「ありがとう」


珠世さんに続いて炭治郎からもありがとうと言われた。
いやいやそんな、炭治郎と禰豆子ちゃんの為なら喜んで。怖くないのかと聞かれるとめちゃくちゃに怖いけど、やるっきゃないよね。……めっちゃ怖ぇけどね！！！


「……珠世さん、一つ、お聞きしたいことがあります」

「ええ、なんでしょう？」


…………私が鬼殺隊に入ったのは、そもそも情報収集の為。
これは、この人が信じても大丈夫と分かってからずっと聞きたかったことだ。



「“神代山(かじろやま)”という場所を、ご存知ですか？」

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