【鬼滅の刃】神様の巫女 弐

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“神の呼吸”はコストが高い。具体的に言うと、使う度に骨が軋む。もうね、ミシミシ言う。いつ折れるか不安で仕方ない。強いけど恐怖感すごいのよね。体力もかなり削られるし。
“銀(しろがね)の呼吸”を作るって決めた時は五回が限度だったけど、今だとどうなんだろう。何回使えるのかな。


「骨が、折れるのか」

「折れるね。もうボキッと。ボキボキッと、逝く。なんなら肩も外れるしめちゃくちゃ痛い。だから使いたくないんだよねぇ」


炭治郎が食いついたのは息吹の方。
しかもあの業(わざ)、使ったら複数箇所の骨折するからその場から動けなくなるのよね。だから本当にガチの意味で“必殺”じゃなきゃいけないわけで。殺し損ねたら私死んじゃう。


「なのにあの神様ときたら、息吹の壱ノ型以外は全部ノーモーションでできるのよ」

「のーもーしょん？」

「予備動作がいらないってこと。踏み込みとかいらないの。刀振るだけでその業できちゃうの」

「え」


あ、炭治郎絶句したね？ 気持ちは痛い程分かる。
壱ノ型の踏み込みは、あれは神様が最初に作った業だから。人間のやり方を真似た結果だからなんだそうで。要するに本来なら踏み込みはいらないってこと。ふざけるのも大概にしてほしい。


「“神の呼吸”の方もね、回数の制限があるから。強いっちゃ強いんだけどさぁ……。だから今の“銀の呼吸”を作ったの」

「Aは、すごいんだな」


心の底から、と言うような視線を送られる。ありがとう炭治郎、その言葉で私はだいぶ救われる。あの業と神様この野郎のせいで何度心が折れかけてきたことか。…………いやもう絶対許さねぇから。


「でも、その神様なら、鬼を人に戻す方法を知っているかもしれないな」

「んー、だといいんだけど……どうだろね」

「なぜそんなに歯切れが悪いんだ？」


あははは、とまた苦笑い。いやうん、確かにあいつは神だけど、鬼のこととなると、ちょっとよく分かんないんだよなぁ……。


「あの神様、鬼が見えないからさ……」


ごめん炭治郎。びっくりしたのは分かるけどそんなにお目々まん丸にしないで。

第27話 ようこそ浅草→←＊

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