＊ ページ35
「今から皆様に、鎹鴉を付けさせていただきます」
「鎹、鴉……」
「鎹……って確か、繫ぎ止める役割のもののことだよね？」
「鎹鴉は、主に連絡用の鴉でございます」
上から黒髪の子、青い羽織の子、私、白髪の子である。
すごい。隊に入ったら鴉支給されるとそんなんファンタジーじゃん。いやまあ鬼が出る時点でファンタジーだけど、動物が関わるとファンタジー要素増すよね。要するに電話代わりってことでしょこれ。最高じゃん。
「鴉……？ これ雀じゃね？」
「ふざけんじゃねェ！！」
突然の声に驚く善逸と鎹鴉改め鎹雀。見ればさっきから刀刀とうるさい男の子が鴉を突き飛ばしていた。
そのままズカズカと双子ちゃんに歩み寄り、声を荒げる。
「どうでもいいんだよ、鴉なんてェ！」
そう叫んだかと思えば、ガッ、とそいつは白い髪の子の頭を掴んだ。髪の毛を持ち上げて同じ目線になると、更に続ける。
「刀だよ刀ァ。今すぐ刀寄越せ。鬼殺隊の刀ァ……色変わりの刀ァ！！」
……あいつ話聞いてた？ 刀造るのに時間かかるって言ってたじゃん耳大丈夫？ ちゃんと機能してる？
パシッ。
呆れ顔の私の視界には、不良のようなそいつとそいつの腕を掴む青い羽織の子。
「あぁﾞ？」
「この子から手を離せ。離さないなら、折る」
おろおろとする善逸に、さっきから我関せずといった具合で腕に留まる鴉を眺める女の子。私はと言えば、ため息を吐いてその光景を眺めていた。
相手が鬼ならいざ知らず、人間となるとどう手を出したもんか。
「ああ？ なんだテメーはァ」
「ひぃいいい！？ どどどうしよう……！？」
「あのさー、やめた方がいいよ君ー。その子強いよ、本当に腕折れちゃうよー」
言葉を投げてみるも特に反応は無し。
わたわたとする善逸に大丈夫大丈夫と声をかけて、ことの始終を眺める。
「やってみろよ」
「あ、言っちゃった」
さっさと離せばいいものを、どうしてああ言う奴は相手を煽るかね。状況にもよるけど、今の場合だといいことなんて何一つないだろうに。
すう、と彼が息を吸った。
何がどうなるのか分からないそいつは、力が強くなる彼の手と彼の顔を交互に見合わせている。
そして、ぎりっとそいつの腕を握り込んだかと思えば上がる悲鳴。
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ひめ(プロフ) - 手鬼遭遇時の夢主の心中がまさに『平和な日本で生きた転生者』の葛藤でとても惹き込まれました。まあ実際鬼滅世界に放り込まれたらこうなりますわな…って思いが強いです。面白い！！ (2022年11月18日 17時) (
レス) @page50 id: 46aa1d2279 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - ルーナさん» コメントありがとうございます！私なりに調べてみたのですが、“一息で言う”という意味で“ノンブレス”と使う方が多く、夢主もそっち側かなぁと思いこちらの単語を使いました。今の所変更する予定はないのですが、読みづらくなっていたのなら申し訳ありません。 (2020年3月28日 2時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ - �爛離鵐屮譽広瓩茲蝓↓爛屮譽好譽広瓩諒�が馴染みがあるます。 (2020年3月27日 23時) (レス) id: f3f2e83d09 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ - �爛離鵐屮譽広瓩茲蝓↓爛屮譴轡譽広瓩諒�が馴染みがあるます。 (2020年3月27日 23時) (レス) id: f3f2e83d09 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - ルイリカさん» あ！！？？本当ですね！！？ ご指摘ありがとうございます！ 修正致しました！！ (2020年3月18日 0時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユズヒ
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作成日時：2019年7月17日 0時
