第12話 最終選別と自己肯定 ページ4
「うわっ、すっげぇ……」
とっぷりと日が沈み、夜を照らす月明かりと視界を埋め尽くす大量の藤の花。
咲く時期でもないその花達は、山道を彩るかのようにしだれていた。山にいた時も小屋の周りに藤の花が咲いていたが、なんだかあれよりもこちらの藤は怪しげな感じがする。現実離れ、幻想的、なんて言葉がぴったりか。
そういえば、よく神様が藤の花を世話しながら話しかけてたっけ。あれ美丈夫だからセーフだけど(私にとってはアウト)、お面つけたままだと完璧不審者だよね。
場所は藤襲山。私は今、鬼殺隊の最終選抜会場に向かっている。
「い や だ よ ！！ なんで私があんな粘着質ストーカーみたいな奴がいるところに行かなきゃなんないの！！」
「粘着質、すとーかー……？」
「しつこく後ろをついてくる不審者のことだよ……！！」
眉根を寄せておうむ返しをしてきたところを見ると、言葉の意味が分からないらしい。なるほどこの時代にはストーカーって言葉は無かったか。それか、この神様この野郎が知らないだけか。
「ってかなんでいきなりそんなこと言い始めるのさ！ なに！？ なんなの！？ 今までそんな話出たことなかったじゃん！ なにがいいことなわけ！？」
背後でどっかんどっかん雷が落ちている音がするがそれどころじゃない。山火事になっていなければ特に気にすることでもないだろう。
ぎゃんぎゃん吼えたてると、神様は「いやの〜？」と返事をくれるようだった。
「鬼の強さの上限が分からんのが儂とお主の悩みなのは分かっておろう？」
「……うん、まあね。ここに沸く鬼って基本的に弱いし」
「しかも、どういう理屈で強くなるかも分かっておらん。ま、当然じゃな。儂見えんし。どうすればこれが解決するか。手っ取り早い方法がある」
「…………それが、なに、鬼殺隊に入ること、と？」
「ぴんぽーん」
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ひめ(プロフ) - 手鬼遭遇時の夢主の心中がまさに『平和な日本で生きた転生者』の葛藤でとても惹き込まれました。まあ実際鬼滅世界に放り込まれたらこうなりますわな…って思いが強いです。面白い！！ (2022年11月18日 17時) (
レス) @page50 id: 46aa1d2279 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - ルーナさん» コメントありがとうございます！私なりに調べてみたのですが、“一息で言う”という意味で“ノンブレス”と使う方が多く、夢主もそっち側かなぁと思いこちらの単語を使いました。今の所変更する予定はないのですが、読みづらくなっていたのなら申し訳ありません。 (2020年3月28日 2時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ - �爛離鵐屮譽広瓩茲蝓↓爛屮譽好譽広瓩諒�が馴染みがあるます。 (2020年3月27日 23時) (レス) id: f3f2e83d09 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ - �爛離鵐屮譽広瓩茲蝓↓爛屮譴轡譽広瓩諒�が馴染みがあるます。 (2020年3月27日 23時) (レス) id: f3f2e83d09 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - ルイリカさん» あ！！？？本当ですね！！？ ご指摘ありがとうございます！ 修正致しました！！ (2020年3月18日 0時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユズヒ
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作成日時：2019年7月17日 0時
