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「……あ、時代、そうだよ時代」
「どうかしたかの?」
「ここどこ?」
「……お主の方が頭沸いとるんじゃないかの」
ふざけんなっ、とさっき叩きつけた被り物をそいつに投げつけた。そいつに命中したが、なんというかわざと避けなかった感じがした。
「そういう意味じゃなくて、ええっと、これなんて言えばいいの? っていうか信じてくれんの?」
「んむ? まあ信じるぞ。だってお主、儂のこと神様って信じてるじゃろ?」
「自称神様の変な人とは思ってるけど」
「はっ倒していいかのー」
「わぶっ!」
今度は逆に被り物を顔面に投げつけられた。地味に痛い。
「で、話してみ」
「いやあの、今って大正時代じゃない? 私が知ってる大正時代って、こんなんじゃなかったというか……少なくとも、この時代に鬼がいたなんて聞いたことないというか……」
「なるほどのぅ。んー、それに対しての答えなら、二つ、用意できるじゃろうか」
「え、マジかよ自称神様すごいね?」
「マージではっ倒していいかの」
やめてほしい素振りなんてしないでほしい。音がひゅんひゅんいってる。怖い絶対痛い。
どかっとその場に腰掛けて、かいた胡座に頬杖をついた神様(自称)はまず一つ目、と指を一本立てた。
「お主が知っている歴史では、鬼の存在が隠匿されておる、といった可能性。意味としては、恐怖を煽らない為、又は実際にそのものになろうとするものを生まない為と言った理由が挙げられる」
「ほう……?」
「二つ目。そもそもの話、お主がこの世界の人間ではない可能性。自分のいた世界とは別の世界におるんじゃから、歴史だって違うじゃろうて」
「……ほう?」
ん、んん? 要するに? え、どういうこと?
「え、え? うん? 待ってどういうこと? 違う世界? はい??」
「この世界は、お主の知っとる世界じゃないよ、と言っておるんじゃが」
「意味がわからないんだけど……待って、待って。っていうか、あんた私がどういう存在かわかってるの? え?」
「前世の記憶を有した人間。で、さっきの質問から察するに、恐らく未来から来た人間」
「ええなんでわかるのぉ……? それ信じてくれてるの? 自称神良い奴かよ……」
「でものぅ娘よ。儂はさっきの、後者の方が可能性としては高いと思っとるんじゃよ。だってな?」
転生先が過去とか、ありえんじゃろ。
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ユズヒ(プロフ) - 夜美さん» もうそんなに経つんですねぇ……。長いようで短い一年でした。いつもありがとうございます!映画公開、円盤発売後からも再開するので、またよろしくお願いします!! (2020年7月11日 9時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
夜美 - 気づけばもう神様の巫女は一周年ですね。本編の区切りもついたのもタイミングバッチリですね!今までもこれからも、この作品が大好きです!応援してます (2020年7月11日 9時) (携帯から) (レス) id: 17b8cf45ac (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - かなでさん» いえいえとんでもないです!ご指摘頂けたおかげで描写抜けの事にも気付けたので、私としてはありがたい限りです! わー!ありがとうございます!!迷惑なんてことないですよ!これからもよろしくお願いします! (2020年4月29日 13時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
かなで(プロフ) - ユズヒさん» そうだったのですね……!私の理解が足らず、申し訳ないです。。文章の書き方が凄く好きなので、作者様の事を推して行きたいと思ってます…!ご迷惑でなければ、仲良くして下さると嬉しいです……! (2020年4月29日 2時) (レス) id: 58d60c86cb (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - かなでさん» なので、文字にしてある構えは抜刀をする際のものではなく、“抜刀をした後の構え”の描写となっております。もし、「いやいやそれでもやっぱりおかしいな…?」となったら遠慮なく仰ってください!ご指摘ありがとうございました! (2020年4月28日 20時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月11日 20時