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目の前に現れたソレは、淡い青がかった髪を靡かせそこに立っていた。
奇妙な村がある。そこを調べてきてほしい。
そんな任務を受けやってきたのは、本当に小さな村だった。
なんでも「神が守る」その村は、驚くことに鬼の存在を全員が知っていて、守り神とやらが鬼を退治しているのだと言っている。
「……どうなってるんだ」
「お兄ちゃん、もしかして神様を見にきたの?」
話しかけてきた一人の子どもは、俺を見上げながらそう言った。
「神様はねぇ、綺麗なんだよ! わたし一度だけ助けてもらったんだけど、ほんとうに綺麗なの! 髪の毛がねぇ、綺麗でねぇ、笑った顔がすっごく素敵なの! わたしを悪い鬼から守ってくれたんだよぉ!」
興奮気味で話す子どもは、ぶんぶんと忙しなく両手を振っている。神……。
「その神とやらには、どこで会える?」
「んとね、裏のお山! そこにいるよ! もしかしたら、今日は会えるかも!」
だって今日は──。
「……誰だ、お前は」
白銀の脇差を光らせ、こちらを見るソレは何も喋らない。「神様」と幼稚な文字で書かれた面がこちらを向いているだけだ。
かちり、と刀を構えるも、そいつは微動だにしない。と、思った瞬間。
「っ! 待て!」
そいつはその場から逃げ出した。
逃さないよう素早く追いかけるが、凄まじい速さで山を駆けるそいつには追いつけない。なんだあいつは。柱でもないのになぜあんなに速く動ける。
もしかして鬼なのか? いやだが、それならなぜさっき鬼を殺した? なぜだ?
景色が前から後ろへと移動していく。
目の前を走るそいつは失速する気配が無い。どれくらい追いかけた? 体力というものが存在しないのかあいつは。
地面を踏みしめて更に加速するが、あいつも同じ拍子で加速して距離が縮まらない。ちっ、と舌打ちをして追いかける。
すると、すたん、とそいつは地面に着地して振り返った。
一定の距離を空けそいつと対峙し、刀を構える。
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ユズヒ(プロフ) - 夜美さん» もうそんなに経つんですねぇ……。長いようで短い一年でした。いつもありがとうございます!映画公開、円盤発売後からも再開するので、またよろしくお願いします!! (2020年7月11日 9時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
夜美 - 気づけばもう神様の巫女は一周年ですね。本編の区切りもついたのもタイミングバッチリですね!今までもこれからも、この作品が大好きです!応援してます (2020年7月11日 9時) (携帯から) (レス) id: 17b8cf45ac (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - かなでさん» いえいえとんでもないです!ご指摘頂けたおかげで描写抜けの事にも気付けたので、私としてはありがたい限りです! わー!ありがとうございます!!迷惑なんてことないですよ!これからもよろしくお願いします! (2020年4月29日 13時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
かなで(プロフ) - ユズヒさん» そうだったのですね……!私の理解が足らず、申し訳ないです。。文章の書き方が凄く好きなので、作者様の事を推して行きたいと思ってます…!ご迷惑でなければ、仲良くして下さると嬉しいです……! (2020年4月29日 2時) (レス) id: 58d60c86cb (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - かなでさん» なので、文字にしてある構えは抜刀をする際のものではなく、“抜刀をした後の構え”の描写となっております。もし、「いやいやそれでもやっぱりおかしいな…?」となったら遠慮なく仰ってください!ご指摘ありがとうございました! (2020年4月28日 20時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月11日 20時