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「私の刀さ、このサイズじゃないのがいいんだけど」
「うむ? 今のそれじゃ不満かの?」
それは、“銀の呼吸”を習得している最中のこと。
どうにも私が作って習得しようとしているこの呼吸の型には、この刀のサイズ……太刀は合わないのだ。
「もうちょい短いのがいいんだけど……。短刀はちょっと短すぎるから、それよりもうちょい長いやつ」
「というと、脇差くらいかのう?」
「脇差?」
こんな長さの、と神様が両手を広げて示してくれたサイズに「あ、それくらい」と頷いた。今使っている太刀の半分くらい。
柄がこの辺じゃから〜と刃渡りも教えてくれた。いや、もう少し長めで、と神様の手を移動させて、これくらいと示す。刃渡り四十センチくらいか。
「これくらいが多分銀の呼吸の型は使いやすいと思う。軽いし、振り幅的にも」
「なるほどの、我儘な奴じゃ」
「てへっ」
棒読みで言えば、「何がてへっ、か」と軽い手刀を決められた。ちょっと痛かった。
出来上がった刀は「日輪刀」といった。詳しくは知らないけど、刀を作ってくれるツテがあるらく。
どうやら鬼の弱点である陽の光を吸収する鉄で作った刀らしい(原料の名前はなんかちょっと難しくて覚えらんなかった)。これで鬼の頸を斬ると殺せるんだそうだ。
え、じゃあ今まで使ってたこの刀も日輪刀かと聞くと、神様は首を振った。
「それは儂が神気を込めた普通の刀。儂の神気が込められとるから、この刀より頑丈じゃしよく斬れるぞ〜」
となにやら自慢気に言っていたが、こちらからしてみればチートもいいとこである。
なんだ神気って。初耳なんだが。
…………え、なにじゃあこれ神器なの? 神様の使う武器私使ってたの? は? なにそれ聞いてないんですけど。聞いてないんですけど!!??
「言ってないからの」
殴る!!!
そんなわけで、私の今持つこの脇差はその「日輪刀」というやつだ。日輪刀は別名「色変わりの刀」と呼ばれているらしく、持ち主によって刀身の色が変わるようだった。なにそれファンタジー、素敵。
私の刀の刀身は白銀だった。呼吸にぴったりだなすげぇな!! と驚いたら、神様がつまらなそうに「金ではないのか」とか言っていた。
…………なんかよく分かんないけど、本当に意味が分からないけど、刀身の真ん中にある一本線が淡い金色っぽいからそれで我慢できないだろうか。
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ユズヒ(プロフ) - 夜美さん» もうそんなに経つんですねぇ……。長いようで短い一年でした。いつもありがとうございます!映画公開、円盤発売後からも再開するので、またよろしくお願いします!! (2020年7月11日 9時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
夜美 - 気づけばもう神様の巫女は一周年ですね。本編の区切りもついたのもタイミングバッチリですね!今までもこれからも、この作品が大好きです!応援してます (2020年7月11日 9時) (携帯から) (レス) id: 17b8cf45ac (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - かなでさん» いえいえとんでもないです!ご指摘頂けたおかげで描写抜けの事にも気付けたので、私としてはありがたい限りです! わー!ありがとうございます!!迷惑なんてことないですよ!これからもよろしくお願いします! (2020年4月29日 13時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
かなで(プロフ) - ユズヒさん» そうだったのですね……!私の理解が足らず、申し訳ないです。。文章の書き方が凄く好きなので、作者様の事を推して行きたいと思ってます…!ご迷惑でなければ、仲良くして下さると嬉しいです……! (2020年4月29日 2時) (レス) id: 58d60c86cb (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - かなでさん» なので、文字にしてある構えは抜刀をする際のものではなく、“抜刀をした後の構え”の描写となっております。もし、「いやいやそれでもやっぱりおかしいな…?」となったら遠慮なく仰ってください!ご指摘ありがとうございました! (2020年4月28日 20時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月11日 20時