【鬼滅の刃】神様の巫女 序

＊ ページ22

腕がぷるぷるしてるのに走り込みって次は足がやられるやつじゃん！ いやわかってたわかってたよ何せ一週間続けてるからね！！ でもこれはさすがにさぁ！！


「もう少し女の子に優しくてもいいと思うの……」

「な〜にが女の子じゃ。修行に女も男もあるか。ほれA、行くぞ」

「うぇ〜やだよ〜……」


なんて言いながらも走り出した神様の後ろをついて行く。だって行かなきゃめちゃくちゃ怒られるんだもん。怖いんだよなぁ……。



走り込みが終わったら軽めの昼食(食べ過ぎると冗談抜きに吐く)、休憩の後に筋トレ、真剣での手合わせ。
木刀とかないのかと問うたら「んなもんあるかい。真剣の方が緊張感あってええじゃろ？ 安心せい、儂お主より強いから。斬りも斬られもせんわ」と笑われた。ムカついたから本当にぶった斬るつもりでかかったらものの数秒で地面に転がされた。しかもご丁寧に、私が持っていた刀を奪われた上で、である。マジ解せねぇ。


斬りかかり方と避け方は手合わせで、転がり方は刀を持たずに。手合わせのあとはどこをどうすればもっと動きやすいというのをその時の動きを再現して神様が教えてくれる。それを踏まえてもう一回。

そのあとは、刀を持たずに手合わせ。曰く、刀が無い時に頼れるのは己の身一つ、とのことで。この野郎正論ぶちかましやがって。
もちろんこれも実践あるのみで、身体に何発食らったか分かりゃしない。容赦なく顔にも来るから本当にこいつはっ倒したいと思う。無理だけど。


で、夜になったら一緒に見回り。鬼とはまだ戦わずに、儂の戦い方を見て学べ、だそうだ。私が加わったおかげで神様が視認できないちょっと強い鬼も、私の方向指示で倒しやすくなったそう。そりゃようござんしたね。


休む暇もありゃしない。休む時は全力で休んで体力の回復に専念しろなんてそんなん、部活の顧問にも言われたけどここまで過酷じゃなかったわ。
相手の微かな動きも見逃すな。表情も、視線すらも取りこぼすな、と。それはもう耳にタコができるぐらいには聞かされた。

＊→←第4話 修行

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す