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第1話 勧誘と始まり ページ2

「お主、儂の継子にならんか?」

「はあ?」


お面を付けたそいつは、私を見下ろしながらそう言った。



どうも皆様おはようございます。時間関係なくその日初めて会う人にはそう挨拶をしろと習ったのは、もう随分と前のことだ。
ここは私が暮らしていた村から少し歩いた森の中。っていうか山。山奥。
どうしてこんな所にいるのかというと、ちょっと時間を遡って説明しなければならない。


どうにも私は忌み子として生まれ落ちてしまったらしい。理由は二つ。
一つはこの月白(げっぱく)(白みがめちゃくちゃ強い薄青)の髪に菖蒲色の瞳。カラーリングがめちゃくちゃ可愛い? ありがとう知ってる。なんなら私本体も可愛いよ。

けれども村の人達にとって、私の持つ色は可愛いどころか不気味そのものだったらしい。分かる。私だって知り合いにこんなカラーリングの子がいたら可愛いと思う反面不気味だなぐらいは思うってもんだ。
だからこそ、最初の記憶は、村の人達が私をなんとも言えない複雑な表情で見ていたといったものだった。まあ忌み子なんだから当たり前だけどさ。


二つ目。正直、こっちの理由の方が強いんじゃないかと思っている。
私には親がいない。曰く、“鬼”に喰われたんだそうだ。この世界には人を喰らう“鬼”がいる。その鬼に、両親は喰われた。村の近くの森に男女の死体があったらしいので、きっとそれが両親だろう。これが珍しくもなんともないとはなんてご時世だ。最悪である。
……どうしてそれが両親か分かるか、って。
女の簪が、私と共にお包みに包んであった簪と色違いだったのだ。藤の花を象った飾りを下げた、綺麗な簪。女の方の藤は白。私の方は紫。これが決め手となった……らしい。

肝心の私はというと、なんと村の入り口でぎゃんぎゃん泣いていたそうな。赤子が、一人で。
両親と思える男女は村から離れた森で見つかっている。しかも死体で。死ぬ前にここに置いたのでは、なんて村人達の考えは容赦なく払拭された。
だって、だって。お包みには血がついていたのだ。それも大量に。逃げていた時に負った傷?

否。

こんな大量の血を零している状態で、人は果たして走ることができるのだろうか。
答えは否、である。それに、こんな逃げることもできない格好の獲物、鬼どもが放っておくものか。見つけて捕らえた瞬間喰い殺されているはずだ。ならばどうして、どうして。


この赤子は無傷でここにいるのだろう。

*→←さよなら世界



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ユズヒ(プロフ) - 夜美さん» もうそんなに経つんですねぇ……。長いようで短い一年でした。いつもありがとうございます!映画公開、円盤発売後からも再開するので、またよろしくお願いします!! (2020年7月11日 9時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
夜美 - 気づけばもう神様の巫女は一周年ですね。本編の区切りもついたのもタイミングバッチリですね!今までもこれからも、この作品が大好きです!応援してます (2020年7月11日 9時) (携帯から) (レス) id: 17b8cf45ac (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - かなでさん» いえいえとんでもないです!ご指摘頂けたおかげで描写抜けの事にも気付けたので、私としてはありがたい限りです! わー!ありがとうございます!!迷惑なんてことないですよ!これからもよろしくお願いします! (2020年4月29日 13時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
かなで(プロフ) - ユズヒさん» そうだったのですね……!私の理解が足らず、申し訳ないです。。文章の書き方が凄く好きなので、作者様の事を推して行きたいと思ってます…!ご迷惑でなければ、仲良くして下さると嬉しいです……! (2020年4月29日 2時) (レス) id: 58d60c86cb (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - かなでさん» なので、文字にしてある構えは抜刀をする際のものではなく、“抜刀をした後の構え”の描写となっております。もし、「いやいやそれでもやっぱりおかしいな…?」となったら遠慮なく仰ってください!ご指摘ありがとうございました! (2020年4月28日 20時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年7月11日 20時

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