【呪術廻戦】神様もう人間飽きたってさ【夏油傑】

ただの出会い ページ1

.夏油side


任務帰り、悟が甘いものが食べたいと駄々をこねるので仕方がなしに店に入った。甘ったるいいちごフラペチーノ生クリーム増し増しだか、とーるだか、未知の語彙が唱えられている。


早くそれを飲んでくれ、帰りたい。悟という男は顔が良い。性格はたとえどんな拷問をされたとして頷くことはないだろうが、顔といい点においては余程の天邪鬼では無い限り頷くほどの顔なのだ。

早くしなければナンパされてしまう。ちらりと辺りを見渡すと視線が集まっている。まだ席を立つものはいない。誰もが牽制しあっている。どちらにせよ軽くあしらわれるのだから意味は無いだろうに、と思うがそこら辺面倒な縛りがありそうだ。
私にとっては死ぬほどどうでもいいことだが。



そんな中いきなり掛けられた言葉だった。



｢君達変だねえ｣

ナンパにしてはあまりに下手くそな誘い文句だ。悟は我関せずといったように甘ったるい何かを飲み進めている。まだ半分残っていた。


こういう時に限ってゆっくり飲もうとする。ポケットから携帯電話を取り出してポチポチとボタンを押していた。

オセロを始めたようだ。三回だけ出来る無料体験の一回をここで使い始めた。酷くつまらなさそうではあるが辞めるわけでもなくボタンを押す。



仕方ない、と口を開いた。


｢疲れているから話はまた会う時があったらにしてくれないか｣


なるべく優しい断りの言葉を入れ、笑みを浮かべた。早く立ち去ってくれ。口の端が少し引きつった。隠せない疲労が現れている。分からないわけではないと思うが、申し訳ないから立ち去ろうという様子はまるで見せない。



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