14羽 ページ15
俺とAが出会ったのは3歳の頃
洛陽は雨が降り曇天の下どんよりしていた
『雨の中傘もささないで何してるの?風邪ひいちゃうよ?』
そうやって俺を傘に入れ、俺の横にチョコン座った女の子がAだった。
「関係ないだろ、どっか行けよ」
あの時の俺はツンツンしてたのを覚えている。
しかしそんなツンツンしていた俺はいとことで吹き飛んだ
「神威。まだこんなところにいたのか。ご飯できたから帰っておいで」
俺の母さん、江華。
母さんはこっちを見て笑った
「あんたいつからこんなかわいい女の子と仲良くなったんだ?ご飯は後で食べればいいから友達を家まで送っていってあげな」
「なんでだよ!こいつは友達なんかじゃない」
「こんな夜に女の子を一人で返すのか?危ないところに子兎を置いてくなんていい男になれないよ」
母さんが俺をからかってるってわかっていたが素直に俺は送っていくことにした。
「いくぞ」
そういって俺はAと一緒に家に向かった。
二人は雨の中歩く
二人の周りは雨の音しか聞こえない
『・・・神威くん』
「・・・何」
『濡れちゃうよ?』
「俺はいいんだよ」
そういって俺はAの前を歩く
『私A。さっきのってお母さん?美人な人だね』
「母さんは美人だけど父さんはハゲだよ。あんたの家族は?」
『私は家族いない
お母さんとお父さんは私が生まれた後すぐに死んだ』
「一人で暮らしてるの?」
Aはこくんとうなづくとでも一人でも平気だよと無理やり笑った
苦しいよな
俺と同じ年くらいなんだ
一人が平気なわけない
「俺のところに遊びに来ていいよ。一緒に遊ぼう
そしたらさみしくないだろ?」
俺はそう言って振り向くとAは目を見開いて涙を流していた
「なんで、なんで泣いてるの?」
泣かせちゃったやばい
そう思った俺はAの方へ駆け寄り頭をなでる
「ごめん、なんか俺泣かすようなことしちゃった?」
Aは顔を横に振る。
『違うの・・・嬉しいの
一緒に遊んでくれる友達なんていなかったから
・・・ありがとう神威くん』
Aは泣きながら笑った。
『私の家この近くだからここで大丈夫!
送ってくれてありがとう』
俺はそこでAと別れた。
俺はAが見えなくなるとガッツポーズをする
実は俺も友達ができたのがうれしかったのだ
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寝野好子(プロフ) - アイリスさん» お返事遅くなりごめんなさい!!頑張って書きますので応援よろしくお願いしますね! (2021年8月11日 17時) (レス) id: 754316c313 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - あーもう、こういうやつ大好きです!続き待ってます!!頑張ってください (2021年8月2日 19時) (レス) id: 45e9dfc0f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寝野好子 | 作成日時:2021年8月1日 0時