あいつの兄です【ヒプマイ】

夢野幻太郎の場合 ページ7

※ここから連絡取ってる設定です

兄の夢野Aはしがない研究者で
ここ数年は海外で研究をしていた
そしてついに今日日本へ帰ってくる…はずなのだが
「なんでいつまで経っても空港に現れないんですか？」
《ごめん。間違えてロス行きに乗っちゃって》
電話越しに聞こえる声はひどく残念そうだった
自分でもちょっとは寂しいかもなんて思いつつ
電話を切って元来た道を戻ろうとした…そのとき
『なんて、嘘だけどね。ただいま』
そこにいたのはキャリーバッグを持った兄だった
つい抱きついてしまったのは誰にも見られてないと信じたい

「…あんな嘘意地が悪いですよ」
『ごめんてw驚かせたくてついやちゃったんだよ』
自分が言えることではないかもしれないが兄は嘘つきだ
しかしそれはほとんど優しい嘘だ。だから嘘かもと疑う前に信じてしまう
いつでも兄の嘘は見破ることが出来ないんだ
「で、家はどうするの？僕の家はもう売っちゃったよ？」
『いらん嘘はつかないでいいから。一緒に住むって言っただろ？』
そして私の嘘はすぐにスルーされてしまう
「…つまらない」

『これお土産な』
そう言って渡されたのは100均で購入出来るノート
「何ですかこの汚いノート」
『中見てみな。びっくりするよ』
兄を怪訝な目で見てノートを開けるとそこには
たくさんの人と町の絵や写真が載っていた
『小説を書く時の参考になればいいなって。どうかな？』
不安そうに聞くのは多分嘘ではないんだろう
ノートにはネットでは得られないような事も載っている
「…とても嬉しいです！」
『…wそれは良かった』

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