あいつの兄です【ヒプマイ】

山田二郎の場合 ページ33

『やっぱり冒険とかってワクワクするなw』
「俺は色んな意味でドキドキしてるよ…」
兄ちゃんが病気になった
まぁ病気と言ってもほんと軽いのだけど
…そのせいで今俺はドキドキさせられている
入院中はかなり暇だと聞いたことはあった
まぁそれは高校生で遊び盛りだからだと思っていたのに
俺が学校帰り一人で病院に来た時
いきなり脱走計画を伝えられた
決行日やらなんやらを聞かされたため
にいちゃんに告げ口をしようと思ったら
『いちに言ったら…分かってるな？』
脅しかけられた怖い
具体的に言っていないあたり怖い…ので言えず
それでももしかしたら冗談ではという希望を持っていたのに
兄ちゃんはそんな希望完無視で決行
ただ今病院の売店前まで来たのだった
売店のおばちゃんは微笑ましそうに見てる
これ脱走バレてるよね絶対
そんなこと意にも介さず兄ちゃんは真剣だ
まぁ兄ちゃん楽しそうだしいいか…なんて
正直兄ちゃんが入院すると聞いてからずっと不安だった
軽いものだとは言われているけど実は俺と三郎は病名も知らない
もしかしたら本当は重いものかもとか思っていた
でも今笑ってる兄ちゃんはそんな風に見えない
本当に…元気そうだった

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