あいつの兄です【ヒプマイ】 (ページ2)

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山田三郎の場合ページ2

今日は一兄が珍しく仕事のない平日
それを聞いたのは僕だけであの低脳は友達と遊ぶようだった
一兄がお暇だったら一緒にボードゲームをしよう
そう考えると帰る足も自然と早くなるものだ
そうすればあっという間に家に着いた
僕はどうお誘いしようかと考えながら玄関を開けた
すると靴おきには一兄の靴と見覚えのない靴が置いてあった
一兄の友人が来てるのか？と思いながらリビングのドアを開けると
一「おぉおかえり三郎」
『おかえり三郎…大きくなったね』
そこには一兄と…しばらく会えなかった兄がいた
「あ…え…A…兄…？」
『うん。Aだよ…ごめんね心配かけ「A兄！」
僕はAの言葉を遮ってA兄の名前を呼んだ
何回も何回も。いっぱい呼ぶ度現実味が増してきて
「A兄…おかえりなさい」
『ただいま三郎』
そう頭に手を置いてA兄は頭を撫でてくれた
この感覚は久しぶりだ
A兄がいなくなった後、何度も一兄に撫でてもらえた
でもそれはA兄のものと違っていた
言葉では表せない違いだったけどやっぱり違う

「A兄！これ！」
『あぁそれか？本場のチェスだよ。やりたい？』
「もちろん！」
昔から頭を使うゲームが好きだった僕はよくA兄に遊んでもらった
今あるトランプなどのカードはA兄に買ってもらったものだ
『チェックメイト』
「あーー！やられた」
ちなみにA兄は子供だからって手加減せず容赦なく本気だ
一回も勝った事はない
一「兄貴…ほんとかわらねぇな」

『…なぁ一郎～二郎まだ帰って来ないのか？』
ひとしきり遊んだ後にA兄はそういった
時間的にまだまだ遊びたいところだろう
いつもなら放って置くのだが、というか連絡しないのだがA兄の頼みだ
「僕が電話しておきますね」
『ありがとう三郎』