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中庭へと目指す事数分。
改めて広いな〜と思いつつ中庭に出れば、
ソコにはいつもの様に白い軍服を着た彼が、
自身の愛馬の毛並みを整えていた。
俺の足音が聞こえたのか、彼は此方に振り向くと、
軍服をまだ支給されていない為着ていない俺を敵かと睨んでくる。
それに慌てて新兵に渡される地図を広げて見せれば、
常備している、腰に差した刀に手を掛けながら、
「君は？」
ひとらんらんさんは、俺に声を掛けた。
俺はそれに息を飲んだ後、
静かに、荷物を地面に置いては敬礼する。
「…初めまして。本日を持ってWrwr軍の新兵となりました、
Aと申します！驚かせてしまった事、大変申し訳御座いません」
ビシッと姿勢を整えて、真っ直ぐにひとらんらんさんを見る。
ちゃんと、目を合わせて。
「…初めまして。Wrwr軍にようこそ。
俺は第二戦闘部隊隊長、Wrwr軍幹部、ひとらんらん。
長いから、ひとらんでもらんらんでも、好きに呼んで？」
少しすると刀から手を離し、微笑んでくれるひとらんらんさん。
…どうやら警戒は解いてくれたようで。
それにホッとしては、はい！と返事を返して敬礼を解く。
その俺の様子を見た後、彼は目線を下に落とす。
…まぁ見事に植木鉢が見られていて。
俺は本題に入ろうと、地面に置いた植木鉢と地図を手に取る。
「実はひとらんらんさんにお願いしたい事があるんですが」
「お願い、したい事？」
「俺、中学生の頃からこの花を育ててるんです。
此処で育てられないかなって思いまして」
「あ、成程。君は育苗が好きなの？」
「ちょっとした趣味でして」
そう笑っていると彼はコチラに近付き、
花をじっとみては、うーんと唸る。
…何か問題があっただろうか？
「それ、アセビだよね？……そうだね。
外道丸の近くで育てないなら大丈夫だよ」
チラリと外道丸…自分の愛馬を見たひとらんらんさんは、
ニッコリ笑って頷くと、あそこら辺が良いかな、と花壇を見ている。
…外道丸に害があるものなのか？これ。
そう考えている俺の思考を察したらしいひとらんらんさんは、
くす、と笑って教えてくれた。
「アセビは漢字で『馬を酔わせる木』って書くんだ。
アセビの葉は馬を酔わせて動けなくしちゃうからさ。
外道丸が間違って食べたら危ないなって」
彼奴は賢いけど、念の為ね？
そう笑う彼の博識さに、俺は感心するしか無かった。
今まで育ててた俺も知らんかったぞソレ。すげぇ…。
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kenma(プロフ) - 好き過ぎる…いつまでも更新待ってます！ (8月15日 12時) (
レス) @page49 id: 23621c8f5e (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - 大好きです！！また更新されることを願っています！ (2022年5月5日 18時) (レス) id: 85717083f6 (このIDを非表示/違反報告)
さすらいの村人B - くぅ.....続きが気になり申す、、、 (2021年12月20日 9時) (レス) @page49 id: 38e13adc7f (このIDを非表示/違反報告)
クルイ@SOS同盟 - あ、好きです...頑張って下さい！ (2021年5月10日 22時) (レス) id: 6c77753d41 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠の芽-にゃお(プロフ) - なにこれ神ですか！？！？！？一気見してこの時間になってしまいました、、、、さいこうですぅうぅつう！！！！！ (2021年2月3日 3時) (レス) id: b4d2a08102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ショイ太郎 | 作成日時：2020年5月29日 8時
