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「兄さんは、これからどうするんですか？」
「…俺は適当にどっか行くよ。
グルッペンを見届けて、俺は生きる」
無理矢理に笑みを作り上げる兄さんは痛々しくて、
俺は窓の外を見ては、そうですか、と呟く。
…敵国の幹部はほぼ全員殺されるのが決まりだ。
大抵の戦争は全部そうなのだと。
反乱分子は、どの国も残したくないものだしな。
「お前は、どうする？」
ふと、掛けられた言葉に目を見開く。
…目を兄さんに向ければ、兄さんは心配そうな顔をしていて。
「…鬱がな、死ぬ前に俺にメッセージを送ってきたんだ。
……俺がここに来るの、間に合わないってのは周知の事実だったからな。…鬱の奴、最後はガバらず、うちの軍の兵士の顔、全部消したんだ」
「…へ、？」
告白された鬱さんの行動に、一瞬思考が停止する。
…兵士の顔を消した。……それはきっと、言わずもがな。
「俺達の、兵士としてのデータを消した…？」
「あぁ。…だから、俺もお前も、好きな様に生きれる筈だ。
俺は他国を回るから、襲われたらやべぇって事でデータを残すの止めてもらってたんだよ。それが幸をそうしたな。今じゃこの国にも、俺の顔を知ってる奴のが少ないだろ。
…一々数の多い一般兵士を覚える事はしないだろうしな」
「…そんな、」
じゃあ鬱さんは、自分を犠牲にして俺達一般兵士を助けてくれたのか？
「鬱はクズとか無能とか言われてるけど、
…状況判断が上手い、仲間想いな良い奴だよ」
その言葉に、目頭が熱くなるのを感じて、
布団を目に宛てがう。
…鬱さんは、負ける事を察知してしまったんだ。
だからこそ、だからこそ、助けられる人を優先して。
＿＿＿自分は、幹部だからって…！！
「なぁ、…お前は、どうしたい？」
俺は。
「この、くにをッ……とり、もどしてぇ…です……ッ！！」
何も返せないのは、嫌だ。
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すみれいん(プロフ) - 構えていなかった為、まさかWrの国の方達がそうなると思っておらず、最初の2人でまじか…まじか……となり、続編に行く前にはティッシュを片手に持っていました。ありがとうございました！ (2020年11月1日 14時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
仰げば尊死 - 今後にきたいしてます (2020年6月1日 22時) (レス) id: d6069bd4ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ショイ太郎 | 作成日時：2020年5月20日 9時
