元エイリアの実験体は世界に羽ばたきます (ページ12)

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10.合宿ページ12

翌朝。

あろうことか、僕は朝起きて食堂に行ったときに、まだ悪夢を見ていた。

風｢お、A！おはよ！｣

吹雪｢Aちゃん！おはよー！｣

緑｢Aー！ほはほー！｣

コイツらが原因である。

リュウジに至っては口にご飯を入れたままで声を掛けてきた。

『お、はよ……』

3人が邪魔で気が付かなかったが、改めて見てみると円堂がいない。

基山に聞くと、｢寝坊じゃない？｣と、随時あっさり答えられた。

それを聞いて、木野が起こしに行ったところだ。

…にしても…

『お腹空いた…』

昨日の夜ご飯が足りなかった。

いや、そこまで大食いじゃないけどさ。

春｢あ、Aさんの朝食ならこっちですよ！｣

音無の素早い反応。

おかげであの3人から離れられた。

ありがとうな、音無。

しかも、朝食はかなり美味しそうだ。

『いただきまーす！！』

早速、食べようとしたその時。

｢いい加減、起きなさぁい!!!｣

という、木野の大声が響いた。

木野はなんかおとなしいイメージがあったから、僕はおそらく人一倍驚いただろう。

そのせいで、箸で掴んでいた卵焼きを皿に落としてしまった。

木野に大声を出させる原因となった円堂許すまじ。

◆

◆

◆

それから少しして…

ご飯を食べるのが遅いと言われた僕ですら食べ終わったのに、リュウジと壁山がまだだ。

壁山はうなずけるけど…

リュウジは、一体あの体のどこにあんな量のご飯が収納されているんだ？

…というか、アイツ…

『なあ、吹雪』

吹雪｢なに！？｣

吹雪に声をかけるとものすごい早さで答えられた。

ボールに反応するときより早かったと思う。

『リュウジ、壁山と競ってないか？

しかも一方的に。』

吹雪｢うん、競ってるね｣

これまたハイスピードで返答。

お前、もうギネス狙え。

風｢円堂の方が遅くきたのになｗ｣

そう、円堂はあの後ちゃんと起きて、もう食べ終わったのだ。

『…僕よりはやく食べ終わったよね、円堂』

やっぱりご飯を食べるスピードが遅いのかな？

風｢いや、円堂が早いだけじゃないか？｣

『そっか、ならよかった！

…って風丸、お前はいつの間に！？』

あれ、確か僕は吹雪と…

風｢まあまあ。
ていうか、名前呼び忘れてるぞ｣

吹雪｢僕もね｣

『あ』