タイヨウのはな。 (ページ34)

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Episode34 ページ34

「あのね、私…」

それから10分くらいして、
ようやく私は話し出した。

話し出すまでも、話し出してからも
海人くんは嫌な顔なんてしないで
ただ隣にいてくれた。

ひと通り話し終えると
笑えなくなったことも全部引かれるんじゃないか
もう笑ってもらえないんじゃないかって
不安になった。

でも

「なぁんだ、そーゆーことなの」

いつもと変わらぬ笑顔で話してくれた。

「えっ…」

「出会ったばかりなのに話してくれてありがとう
つらかったね。
もうそんなに自分のことを嫌わないで。
否定しないでいいよ。」

「引かないの？」

「なんで引くの！
Aちゃんが一生懸命だったってことでしょ、
それは別に悪いことじゃないはずだよ。
笑えなくなったのだって、
なりたかったわけじゃないじゃん」

海人くんの話す一言一言が
胸の奥に届いてじんわり広がっていく

気づいたら涙が止まらなかった

「だから、やりたいこともう一回やっていいと思う
また折れそうになったら俺支えるし、
できる限りそばにいてあげる。
Aちゃんの頑張りだって、
ちゃんと受け止めるから」