【銀魂】空から女の子が降ってきました。８

第三百二十訓 ページ31

司欧「嘘だ、この俺が…」






崩れ落ちる司欧に、トシと数人の真撰組が近付いた。



そしてそのまま、取り押さえる。






司欧「！離せッ、」



土方「……草薙司欧。違法物取引及び横流しの罪で取り締まらせて頂く」



『……』






草薙…それが今の苗字、か。
母さんが死んでから、何度苗字を変えたのだろう。






司欧「くそッ、くそ！！俺はこんな所で終わる男じゃない！Aっ！戻って来い…お前は俺の娘だ、俺のものだ！！」



『っ、』



司欧「なんの為に今まで育ててやったと思ってる！？恩を返せ！！この親不孝者が！！俺を助けろ！！！」






取り押さえられながらも喚く司欧を、静かに見つめる。そんな私を見て、司欧は青筋を浮かべながら怒鳴った。






司欧「オイ聞いているのか！！クソ、あの時あの女と一緒に殺しておけばよかった！！！」



『生かしてくれたのは感謝してるさ…けど、私は貴方に育てられた覚えはないし母さんの事は許さない』






私は総悟に刀を貸してもらい、司欧に近付いていく。






『……トシ、草薙を私に取り締まらせてもらっても良いですか？』



土方「……ああ、好きにしろ」






トシは煙草を吹かして頷いた。早く済ませろよ、とか言っている割に声音は優しい。





(よし、お許しも出た事だし)






＿＿＿＿＿＿スラッ、







司欧「ま、待て…何をするつもりだ？実の父を斬るつもりか！！俺はお前を育ててやったんだぞ！！親殺しの罪を背負うつもりか！！？」






刀を抜くだけでこの慌てよう…情けないな。本当に私と血が繋がってるのか？母さんも母さんだよ、なんでこんな屑に惚れたんだか。





『アンタってホント屑。客観的に自分は見れないし利己的だし既婚者なのに他の女と体を重ねるし。悉くクソだ。けどそんなクズなアンタを、母は最後まで愛してた』








“大丈夫よ、根は優しい人なの”



“Aの気のせいよ”



“さァ、この話はおしまい！ご飯にしましょ？”







『でも、アンタはそれを裏切った。私は……アンタが心底大嫌いだよ。憎いし殺したいと思ってる』






でも、と私は続けた。






『私はアンタを私怨で斬るんじゃない、一人の武士として…真撰組として斬る。それに憎しみを教わった事は感謝してる』









＿＿＿＿＿＿ヒュッッ、









司欧「！待っ、」





『さよなら、



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿父さん』











.











首が、宙を舞った。










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