【銀魂】空から女の子が降ってきました。８

第三百六訓 ページ17

『はぁーー……


暇すぎるんだけど……！！？』






朝霧の牢獄に来てから二日。



ここは極端に人の出入りが少ない事が分かった。



食事などは父の部下が運んでくるが毎日違う人。全員何も喋らないし…父は仕事に没頭しているのか顔すら出さない。





それになんと言っても暇だということ。
私物は何も与えられないから食べて寝ての繰り返し。


生活一式は用意してもらっているものの、大体ずっとぼーっとしているから暇すぎるのだ。





そして肝心な縁談相手は結婚当日に対面するらしい。


……馬鹿な話だよね、顔合わせも何もしてない相手と結婚だなんてさ。





(何ともまァ、つまらない暮らしになったなァ)





………辛い、逃げ出したい。真撰組に帰りたい。知らない男と結婚なんてしたくない。





負の感情が渦巻く中、唯一楽しめるのは顔見知りである高杉と神威との会話だった。

あんな悪党でもこんな状況だと面白くなる物である。






『………総悟、トシ、近藤さん…』





(今頃どうしてるかな……)





泣きそうになるが溜め息で涙を引っ込ませた。









.









＿＿＿＿＿＿「………妬けるねェ…」





『！』






すると、牢の外から声。
そちらを見れば、色気爆発男が微笑んでいた。


反射的に貼り付けた笑みを浮かべる。弱みを悟られたくないから。






『自分から来たんだけどねェ…皮肉かな、自分で来てしまったからこそ何倍も辛いのさ』



高杉「……その笑み、辞めねェのか」



『はい？』



高杉「嫌でもわかる、無理やり表情作ってるってな。明らかにお前さんの素の笑顔とはかけ離れてる」



『ぁ、』






ポーカーフェイスは得意だった筈なのに簡単に言い当てられて思わず固まってしまった。



でも、少し嬉しい…なんて。






高杉「で？それが貼り付けた笑みだと分かってる俺の前でもその笑み続けんのか？」



『えっ』






サラリと、私の髪と頬をすくい上げて距離を詰めてくる高杉。


牢越しだから少し羞恥心は収まっているが、背徳感が増す。顔は依然として赤いまま。






高杉「お前ェ…そんなに苦しいんなら……」



『え、』






愛おしい者を見るかの様に優しい目で此方を見つめてくる姿は正に色気爆発。しかも長い睫毛が伏せられていてとても妖艶だ。






高杉「……いや、何でもねェ」



『…なんだい？』



高杉「……今のお前には、早すぎらァ」



『なにそれどういうこと』









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