第拾捌話〜迎え ページ21
その日は小雨がしとしとと降っていた。
「あら、本降りになる前に帰らなきゃね」
「そうですね姉上、買い物したものが濡れてしまいます」
そう話しながら歩いていると、妙と新八は橋を渡るとき、河原に立っている人影を見た。よく見ると西田だった。
でも、よく見るとひとりじゃなかった。誰かと話している。雨の音で、何を話しているかはわからない。
「志村さん、新八君」
「うわぁ、あ、岩倉さん。」
「どうしたの、晶子ちゃん?もう、びっくりしたじゃない」
岩倉は何も言わずに、分厚い封筒を渡した。
「え?これは?」
「口止め料です。」
「なんのですか?」
「ここで西田さんが誰かと話していたことです。」
「なんでそれを黙っていなければいけないの?理由を教えてくれなければそれを受け取ることはできないわ。」
妙は冷静にそう返した。岩倉はこうなることを予測していたのだろう、黙って封筒をしまった。
「密談するきに最適な環境は、雨が降っていること。顔も傘でみられにくいし、雨の音で何を話しているかわからない。」
声の主は沖田だった。土方も一緒にいた。
「そうだろ?岩倉」
「やっぱりつけていましたか」
「密談の内容を教えろ、内容によってはここで斬るがな」
岩倉が口を開く前に、「今は居場所がばれた、とだけ言っておきます」と、いつのまにかこちらに来ていた西田は言った。
岩倉の顔は青ざめた。
「あいつらは何やってたんですか!?私たちを呼んでおいて、みつかりました?は、バカバカしい!」
「やめなさい晶子。ここは危険よ、場所を変えましょう」
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九条千尋(作者) - ありがとうございます♪ (2016年8月13日 23時) (レス) id: b16442feb4 (このIDを非表示/違反報告)
桜子 - とてもおもしろっかたです (2016年8月6日 15時) (レス) id: 9903be7bbe (このIDを非表示/違反報告)
九条千尋 - 固定ですが、固定でも名前は変えられます!小説説明欄にある、大中小の隣にあるマークを押して下さい!後は説明どうりすれば名前を設定できます。 (2016年3月1日 17時) (レス) id: bb9da017ea (このIDを非表示/違反報告)
カントリーロード - 名前は固定ですかね? (2016年2月29日 11時) (レス) id: e8737af675 (このIDを非表示/違反報告)
九条千尋(作者) - あ、ありがとうございます!原作のように思って読んでくれたなんて!本当にありがとうございます! (2015年12月2日 22時) (レス) id: 8e776f80d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九条千尋 | 作成日時:2015年11月3日 23時