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助けを求めても誰も助けず。
写真を撮ろうにもカメラが被写体を捉えない。
こんな滑稽な事があるなんて。
今にも笑ってしまいそうなのを必死に堪えながら、落胆する女の後ろを着いていく。
「切り抜きしか見てない? アンチの人格否定してるんだねぇ、君も勝手に切り抜いた部分で批判する癖に見苦しい」
「嘘をつき過ぎて本当を見せれない? どこの厨二病かなぁ。あ、俺はいいと思うよ、嘘をつき過ぎた先が真の姿なんだし」
「うっは、元ヤンだったの? それはどうでもいいけどわざわざ言う必要あるわけ? ダサいなぁ、それを振りかざしたって何の意味も無いよ。だって君が逃げてばかりの弱い人間であることを過去の栄光として露呈させてるんだもの。あぁでもこれは過去の黒歴史かなぁ?」
「他にも数多の意味不明な言動……こりゃあ助けを求めても誰も動かないさ」
女は「黙って聞いていれば……!!」と堪忍袋の緒が切れたようだが、鬼のような形相で元々の端正な顔を崩れさせる姿も楽しみながら続ける。
「『この私がアドバイスしてあげたんだからお礼くらいしろ』? 自己中心的な考えだねぇ。君はわざわざ自分の善を押し付けただけなのに感謝をしろだなんて……無駄な押し売りも程々にすれば?」
「人にしつこく付き纏って人生の邪魔が出来るほど、君は頭良くないだろ? 付き纏われる方も君に構っていられるほど人生に余裕は無いよ。うわぁ反吐が出る」
女は掴みかかろうと向かってくるが、見え透いた突進に当たる訳もなくするりと躱し、更に足を引っかけて転けさせる。
「あは、これ凄い屈辱じゃない?」
「ぐ……」
悔しそうに唇を噛み締める女を見下しながら、「いい加減懲りたら良かったのにねぇ。ばいばい」と吐き捨てて首を切った。
「必要以上に見下せば、必ず自分が誰よりも見下される時が来る。しかもそれは己のプライドが高すぎる故に屈辱的」
すぐに動かなくなった姿を見て、何だか地味だと気付く。首が無い死体で充分インパクトはあるが、ただの見慣れた光景などつまらない。うつ伏せで死んでいる女の背中を切り裂き、背骨を取り出して眺める。
「へぇ……24個ある……。あ、重なってるだけで繋がってはいないのな。タコ糸通して繋げとこ」
「これ地獄にいる黒魔術師の婆さんが好きそう。持って帰って土産物として渡せばまたお小遣いくれるかなぁ」
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シャル@如月唯奈(プロフ) - ハジメマシテ!ULOGから来ました、シャルといいます。小説めちゃめちゃ面白かったです!文章の書き方とか世界観とかめちゃめちゃ好みで、ドンドン読んじゃいました(笑)これからも頑張ってください、応援してます! (2020年1月18日 22時) (レス) id: 6e2bf13c08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天楽 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年6月25日 23時