ヒーローと甘々。その１８。【仮面ライダー】【スーパー戦隊】 (ページ8)

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✿笑顔を教えてくれた人。　ディケイド【小野寺ユウスケ】ページ8

✿スズ様リクエスト✿

ＮＯサイド

Aは溜め息を吐いて青空を見上げる。

自分の心もこんな快晴になれば良いのにななんて変な事を考えていると、いきなり青年に話し掛けられた。

ユウスケ「どうかしたんですか？」

『え？まあ……』

Aは声を曇らせながら曖昧に答えると、彼は笑って言った。

ユウスケ「俺、世界中の笑顔を守りたいんです。勿論貴方にも笑って欲しい。だから俺で良ければ、話を聞かせてくれませんか！？」

彼にお辞儀までされて、Aは事情を話す事にした。

『私、有名企業の社長令嬢なんです。それで、パーティーとかにも出席しなくちゃ行けなくて。お父さんから笑顔で居ろなんて言われるけど、楽しくないから笑えないんです。だから憂鬱で………』

Aがポツポツと語ると、彼＿＿＿小野寺ユウスケはいきなり立ち上がって笑った。

ユウスケ「じゃあ、気分転換でもしませんか！？俺、美味しいクレープ屋さん知ってるんです！」

ユウスケに手を引かれて、Aは驚きながらも足を動かす。

握られた指先が、熱を帯びる。

それからユウスケのオススメだと言うクレープ屋さんに着く。

Aはティラミス風クレープを、ユウスケは苺たっぷりのクレープを頼み、イートインスペースでそれを頬張る。

上品な甘さが、Aの口の中に広がった。

『ん〜〜〜！！美味しいっ………！！』

Aはついそう声を上げてしまった。

ここまで美味しい物を食べるのは久し振りな気がする。

いつもは値段や価値がある物を優先して出されていたから、正直味はイマイチだった。

ユウスケ「あっ、ここクリーム付いてるよ」

ユウスケはそう言ってAの口元を拭う。

それからそれをぺろりと舐めた。

Aの顔が無意識にも真っ赤に染まる。

小さくはにかむと、彼も笑った。

ユウスケ「Aちゃん、今すっごく楽しそうに笑えてるよ。良かった、笑顔になってくれて」

Aは持ち歩いていたコンパクトミラーを開く。

確かに、自分の口元はいつに無く綻んでいた。

『今日はありがとう。態々付き合ってくれて』

ユウスケ「気にしないで」

ユウスケはにこりと笑う。

『えっと、だから………また偶に私とこうやって遊んで欲しいな…』

Aが控え目に言うと、ユウスケは笑顔で頷いた。

それを見て胸がきゅうっと熱くなる。

これは楽しいからだろうか、それともまた別の要因が＿＿＿。

リクエストありがとうございました✨