サッカーオタク、日本一を目指します【イナイレ】 (ページ4)

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キーンコーンカーンコーン

ホームルーム開始のチャイムが鳴るとほぼ同時に、がらっと勢いよく教室の扉が開く。

「ギリギリセーフ！」
　
　
『ギリギリアウトだよ、守。おはよう』

「おはよう！いやあ昨日全然眠れなくってさ…」

『また、どうせ遅くまで練習してたんでしょ？程々にしなよ、キャプテン』
　

彼は円堂守。
この学校、雷門中のサッカー部のキャプテンで、私の幼馴染だ。

そして、生粋のサッカー馬鹿である。

「それがさ！昨日、すっげぇやつに会って…！」

　
と、守が興奮気味に語ろうとした時、教室に先生が入ってくる。

「こら円堂！もうチャイムは鳴ってるぞ！」

「す、すいません…！」

守が席に着き、先生は一つ咳払いをする。
　
　
「今日は転校生がいる」

待ってました、と言わんばかりに皆がそわそわし始める。
　

「先生！女子ですか、男子ですか！」

「男子だ」

と、言った瞬間女子たちは目を輝かせる。
それとは裏腹に、男子達は残念がっていた。

てかやめなさい、転校生君、今絶対入りにくいって。

「さ、入ってきなさい」

そして転校生が入ってくると、

「あぁっ！！」

隣の守が大きな声を上げた。

　
「なんだ、知り合いか？」

「いや、その知り合いってわけじゃないんですけど…」

いいから座れ、と言われ守は大人しく席に座る。その表情は何故かとても嬉しそうだった。

「今日から我が雷門中に転入することになった、豪炎寺修也くんだ。
前は確か、木戸川清修にいたんだったよな」

「はい」
　
豪炎寺修也、という少年はつんつんの白髪に凛々しい表情が印象的な少年だった。

「みんな、仲良くするようにな。席は…そうだな、あの窓側の席だ」

　
・

　
　
「ねえねえ、A！」

隣の席の友人が、小さな声で私に話しかけてくる。

「豪炎寺って、さっき話してた人だよね？すっごい偶然じゃん！
…て、A？」

…画面の向こうの人が、目の前にいるだと…？
え、あれ本当にあの豪炎寺君だよね？いや、絶対そうだよ、あんなイケメンポンポンいてたまるか。

突然推しが現れた私は、発狂するわけでもなく静かに頭の中で混乱していた
だって、転校生が豪炎寺君か思わないじゃん。マジで噂をすればなんとやら過ぎる

こんなの…こんなのって…

『……我が人生に一片の悔いなし』

「いや、死ぬな！」
　
　
　
オタク人生、最大の幸福空間の完成である。