キョウキ(第22話) ページ23
ケイジ「…オーケーだ。サラちゃん」ケイジの声が聞こえたのでそちらの方を向くと、ケイジが何かをサラに渡していた。
ケイジ「おまわりさんが見つけた荷物を渡すよ。答え…見つけてくれるかい?」そう言って、ケイジはサラに何か囁き、立ち去った。
サラは渡された物をじっと見ている。よく見てみると、拳銃だった。
(えっ…なんでこんな物騒な物がここに…!?)
私がサラに尋ねようとしたその時、
ソウ「それ…どうするつもりなの?」
ソウがサラの元へ静かに寄った。ソウはサラの不安を駆り立てるかの様に囁く。私は彼に警戒しながら、彼に恐る恐る近づいた。
ソウ「本物じゃないか…。危ないから…ボクにちょうだい…?」
サラは不安そうに手を震わせながら、ソウに拳銃を渡した。
(まずいわ…!ソウさんが何かしでかすかも…)
私は一気に彼との距離を縮めた。
ソウ「そういえば…さっきの弾…1発だけ渡し忘れたんだ…」
そう言って、ソウは銃口をサラに向けた。
A「やめてください!ソウさん!!」
私はソウに怒鳴りつけた。
A「その銃を人に向けるのは危険すぎます!偽物だとしても、何が起きるか分からないんですよ!冗談でもそんな事言わないで!!」
ソウ「…」ソウはこちらを冷たい目で見つめた。が、すぐに顔を戻して、
ソウ「…ごめんごめん、冗談だったんだ。信用とこれは別だよ、サラさん。油断しないでね」と言って銃をサラに戻した。
ソウ「ごめんね、Aちゃん。サラさんに武器を渡す事がどういう事か、教えてあげたかっただけなんだ」ソウは私に寄って謝ってきた。
ソウ「もうあんな事言わない様に気をつけるね。さて、この部屋はケイジさんやカイさん達に任せて、ボク達は別の部屋に行こうか」ソウはカズキに呼びかけ、部屋を後にした。
カズキ「そうですね。…A、怪我するなよ」
A「…それはカズキもでしょ?」私が笑うとカズキも笑い、ソウさんの後を追った。
私はサラさんの元へ寄った。サラさんは体を震わせ、不安そうな顔を浮かべていた。
A「大丈夫ですよ、サラさん。もしソウさんがまた何かしでかしたら、私が彼を成敗してやりますから」
サラ「…ありがとう。助かる。…私達も別の部屋に行こうか」私達も部屋を出るために出口に向かうと、
サラ「あ、そうだ」サラが私を呼びかけた。
A「はい?」
部屋を抜けた所で振り向くと、突然
ガシャン!!
目の前に鉄格子がかかった。
12人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ルーティーヌ | 作成日時:2020年5月18日 12時