「好きやで」って言わせたい【S.Seiya】 (ページ3)

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マンツーマンページ3

ただいま、天才振付師さんの個人レッスンを受けています。
ハードすぎて死にそうです。

「もう無理です、休憩をください」
流石に限界を迎えたので、土下座でお願いする。
「じゃあ、5分な」
「少なっ！せめて10分!!」
「はい、休憩終わりー」
意地悪すぎる！
だからマンツーマンは嫌って言ったのに…。

私の反応を見て嬉しそうに笑っているまとくん…先生。
レッスン中に″まとくん″なんて呼んだ日には、
確実に終わりを迎える。

「練習出来ひん日が続いとったから、こうやって個人レッスンしてんのに。
Aのためなんやで？俺、ほんまはお休みやってんから」
「すいやせんでした」

ありがたいことに、ここ数日お仕事が続いてまともにレッスンに参加できてなくて。
見かねたまとくんが個人レッスンを開いてくれた。
ほんとに感謝してます、してますけど。

「厳しいと思うよ…」
「なんか言った？」
「なんでもないでーす」
聞こえてるけどな、と恐ろしく素敵な笑顔で言うまとくん。怖すぎです。

「終わった…」
あの後何が起きたかは、皆さんのご想像にお任せします…。

床に寝そべり、帰ってからやらなければいけないことを考えていく。
ご飯作って洗濯物たたんで、振りの確認してお風呂入って……うん、もう動きたくないです。

誰かやっててくれないかな、なんてあほなことを考えていると、
「夕飯食べ行く？」
まとくんが言った。
「まとくんの奢り？」
「しゃーないな」
その言葉を聞いた途端、さっきまでの疲れが吹っ飛んだ。

「Aが好きそうな所見つけたから、いつか一緒に行こうと思っててん」
「まとくん大好き！」
「俺も大好きやで」

こうして私は、今日も甘やかされるのであった。